シヤチハタが「NFT印鑑」、ケンタウロスワークスらと

シヤチハタ、ケンタウロスワークスらとNFT活用の電子印鑑を共同開発へ

シヤチハタ株式会社が株式会社ケンタウロスワークス、早稲田リーガルコモンズ法律事務所とブロックチェーンを利用した電子印鑑システム「NFT印鑑」を共同開発することを8月18日発表した。

「NFT印鑑」は、シヤチハタの電子印鑑に関わるノウハウをベースに株式会社ケンタウロスワークスの持つブロックチェーン技術を取り入れ、早稲田リーガルコモンズ法律事務所の法的知見をもとに、さまざまな電子契約システム間で利用できるサービスとして提供する予定とのことだ。なおケンタウロスワークスでは2020年4月よりブロックチェーンを利用した電子署名システム「電子実印」を無料提供開始し、今年2月にイーサリアムの手数料(ガス代)高騰によりサービス終了していた。

今回3社が開発を進める「NFT印鑑」は、印影データをNFT化することで印鑑保有者の情報と印影情報を結び付けた、固有性を持つ電子印鑑となるようだ。

「NFT印鑑」が押印された電子文書には、印鑑保有者およびNFT化された印影の情報が刻印され、押印の記録は改ざん困難なブロックチェーンに記録される。そのため「いつ、誰が、何に押印したのか」という、証拠が確実に残るとのこと。

また押印された印影から押印者を証明するだけでなく、従来の電子印鑑が抱えていた印影の偽造リスクの問題をブロックチェーンの特徴である改ざん耐性を活用して解決するとのことだ。

なお印影のNFT化にあたっては、日本のメディア・コンテンツ業界のDXを業界横断で進める企業連合コンソーシアム「Japan Contents Blockchain Initiative(JCBI)」が運営管理するコンソーシアムブロックチェーンが利用されているとのこと。将来的にはパブリックブロックチェーンとの連携も視野に透明性の高いオープンなシステムを目指しているという。

先日8月10日にシヤチハタはJCBIへの入会を発表していた。その際に三井住友海上火災保険株式会社、株式会社トランス、株式会社レシカもJCBIへ入会している。JCBI発足企業である朝日新聞社、小学館の関係会社C-POTおよび株式会社エイトリンクス、博報堂、ケンタウロスワークス、原本、ユナイテッドを含め、現在のJCBI参加企業は合計20社となる。

関連ニュース

三井住友海上火災保険、シヤチハタ、トランス、レシカが、ブロックチェーンコンソーシアム「JCBI」加入 

(2021.2.12ガス代高騰によりサービス終了)「ハンコの代わりにブロックチェーンを」ケンタウロスワークスが電子署名システム「電子実印」の無料提供開始 

参考:シヤチハタ
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Maksym-Rudoi・Kateryna-Bereziuk

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

合わせて読みたい記事

トランプSNS企業、Bakkt買収へ協議=英FT

ドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領のSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」を運営するトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループ(Trump Media & Technology Group Corp : TMTG【NASDAQ:DJT】)が、米デジタル資産サービス企業バックト(Bakkt)を買収する方向で交渉を進めていると、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が11月18日、2人の関係者の話として報じた

【11/18話題】JPYCの累計発行額30億円に、イーロンマスクがDOGEを不正操作したとする訴訟が終了など(音声ニュース)

日本円ステーブルコインJPYC、累計発行額が30億円を突破、イーロンマスクがドージコイン(DOGE)を不正操作したとする訴訟が終了、イーロンマスクが2018年にOpenAIのICO提案を却下、裁判資料にて明らかに、米18州らがSECとゲンスラー委員長、複数名のSEC委員を提訴。暗号資産規制の越権行為で、暗号資産の時価総額、過去最高の3.2兆ドル=コインゲッコー、PhantomのiOS版がアップデートで強制ログアウト、リカバリフレーズのバックアップ促す、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」、アプトス・アービトラム・アバランチ・OPメインネット・ポリゴンに展開開始、米資産運用会社VanEck、EUで「スイ(SUI)」のETN提供開始、ワールド(WLD)、ブラジルで「Orb」利用可能に、【取材】イーサリアムネームサービス(ENS)、L2ソリューション「Namechain」発表

Sponsored

ペイパル「PYUSD」がイーサリアムとソラナ間で転送可能に、レイヤーゼロのOFT標準採用で

米決済大手ペイパル(PayPal)が、オムニチェーンプロトコル「レイヤーゼロ(LayerZero)」と統合し、イーサリアム(Ethereum)とソラナ(Solana)間で、独自ステーブルコイン「PayPal USD(PYUSD)」の転送を可能にした。「レイヤーゼロ」の公式ブログより11月12日発表された

ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」、アプトス・アービトラム・アバランチ・OPメインネット・ポリゴンに展開開始

米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)提供のトークン化ファンド「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」が、新たに5つのブロックチェーン上に展開開始したことが11月13日発表された