エルサルバドルでステーブルコイン「コロン・ドル」発行か
ビットコインを第二の法定通貨にする法案を可決したエルサルバドル共和国が、年内にステーブルコインの発行を計画していると地元紙エル・ファロ(El Faro)が7月16日報じた。
エル・ファロが入手したオンライン会議の動画や2019年11月から2年間のロードマップを含む文書などの情報をもとに報じられている。
その動画には、エルサルバドル大統領のネイブ・ブケレ(Nayib Bukele)氏の兄弟であるイブラヒム・ブケレ氏(Ibrajim Bukele)とユセフ・ブケレ氏(Yusef Bukele)が外部アドバイザーや民間業者などに対し、同国の代表として交渉にあたっている様子が記録されているという。またそこで両氏は自身を大統領のアドバイザーと名乗り最終決定権は大統領にあると説明しているとのことだ。
報道によるとこのステーブルコインは、かつてエルサルバドルで1892年から2001年まで使用されていた通貨「サルバドール・コロン」にちなみ「コロン・ドル」と呼ばれている。なお「コロン・ドル」は現在同国が法定通貨として導入している米ドルに連動するようだ。
しかしエル・ファロは同国の報道官であるエルネスト・サナブリア氏(Ernesto Sanabria)から「ビットコイン以外の法定通貨は検討していない」としたコメントを得ており、同氏は「政府が支持している唯一の公共政策は、ドルを基準通貨として、ビットコインをドルと並べることです。それ以外はすべて、捨てられたアイデアか、単なる第三者の提案です」と説明しており、またイブラジム・ブケレ氏とユセフ・ブケレ氏が政権では正式なポストに就いていないと語ったとのことだ。
なおエル・ファロが確認した今後のエルサルバドル政府の取り組みは、身分証明書、出生証明書、納税記録、医療記録、学業証明証、犯罪記録など政府が記録する情報やプロセスをブロックチェーン技術を利用し、徐々にデジタル化する計画であるとのこと。ロードマップによると政府は2022年3月から11月の間にデジタル化を完了させたいとのことだ。
参考:エル・ファロ
デザイン:一本寿和
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