米ジェミナイ、カーボンオフセットの取組み「Gemini Green」発表

米ジェミナイ、カーボンオフセットの取組み「Gemini Green」発表

 暗号資産(仮想通貨)プラットフォームを提供する米ジェミナイ(Gemini)が気候変動に配慮した活動を事業に取り入れるための長期的な取り組みである「ジェミナイ・グリーン(Gemini Green)」を6月24日に発表した。

ジェミナイは、シカゴ大学で設立された非営利団体クライメイト・ヴォールト(Climate Vault)と協力し、ビットコインネットワークの炭素使用量を相殺し、ビットコインの脱炭素化を支援するための重要な第一歩として、約35万トンのカーボンオフセットを購入するための寄付を行っていく。今後ジェミナイは、ビットコインネットワークのどの部分を所有しているか、それに伴うエネルギーや二酸化炭素の排出量を計算し、クライメイト・ヴォールトとのパートナーシップを通じてオフセットを行っていく予定だ。

リリースではジェミナイが行う二酸化炭素排出量の削減は、一般的な乗用車の走行距離にして約10億マイル(約17億km)に相当すると説明されている。またクライメイト・ヴォールトは最終的に、このスキームを活用して、二酸化炭素除去(CDR)技術の開発を支援し、大気中からの炭素除去をさらに加速させていく狙いがあるようだ。

ジェミナイのCEOであるテイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏は「ビットコインが圧倒的な価値を持つものとして登場する中で、将来の世代のために持続可能性を取り入れることは必須です。Climate Vaultと提携することで、非再生可能なマイニングへのエクスポージャーを相殺し、ビットコインの脱炭素化に貢献できることを誇りに思います」とコメントしている。

シカゴ大学ミルトン・フリードマン特別功労教授でクライメイト・ボールトの共同設立者であるマイケル・グリーンストーン(Michael Greenstone)氏は「気候変動を防ぐためには、大気中に放出されるCO2の総量を減らし、最終的には元に戻すことが不可欠です。クライメイト・ボールトは、従来のビジネスだけでなく、ジェミナイのおかげで革新的な暗号通貨の世界にも、よりシンプルで迅速、かつ信頼性の高いネット・ゼロ・エミッションへの道を提供しています」とコメントしている。

編集部のコメント

クライメイト・ボールトは、独自の検証可能な3つのステップで排出量をオフセットし、最終的に大気中のCO2を除去するアプローチを採用しているようです。

1.クライメイト・ボールトは、寄付金をもとに、規制の厳しい北米の炭素市場で排出許可証を購入します。
2.クライメイト・ボールトはこれらの排出許可証を「保管」し、他の市場参加者が排出許可証を使用してCO2を排出することを防ぎ、市場で許容されているCO2を効果的に削減します。
3.クライメイト・ボールトは、これらの排出許可証の金銭的価値を利用して、画期的な二酸化炭素除去(CDR)技術を導入している企業が、実際に大気中から二酸化炭素を除去するための資金を提供します。

参考:プレスリリース
デザイン:一本寿和
images:iStocks/MrJub

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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