米ステート・ストリート、デジタルアセット部門を立ち上げ

米ステート・ストリート、デジタルアセット部門を立ち上げ

米大手資産運用企業ステート・ストリート(State Street)がデジタルファイナンス特化の新部門「ステート・ストリート・デジタル(State Street Digital)」を立ち上げたことを6月10日に発表した。新部門の代表は業界歴30年のベテランで同社のエグゼクティブ・バイス・プレジデントのナディーン・チャカー(Nadine Chakar)氏だ。

新部門はステート・ストリートの現在のデジタル機能をベースに、暗号資産(仮想通貨)、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、ブロックチェーン、トークン化などに拡大していく予定だ。具体的にはステート・ストリート独自のプラットフォーム「グローバルリンク(GlobalLink)」がデジタル・マルチアセット・プラットフォームへと強化されていくとのことだ。その目的は「グローバルリンク」をマルチアセットプラットフォームに進化させ、他のアセットクラスの中でも暗号資産をサポートすることのようだ。また世界中のお客様や投資家のために新たな流動性の場を設けることで、P2P(ピアツーピア)取引を支援することも目的としているようだ。

ステート・ストリートの会長兼CEOであるロン・オハンリー(Ron O’Hanley)氏は「金融業界はデジタル経済への移行が進んでおり、デジタル資産は今後5年間で私たちの業界に影響を与える最も重要な力の一つであると考えています。デジタル資産は、金融サービスの既存の枠組みに急速に統合されつつあり、従来の投資ニーズと増加するデジタルニーズの両方に対応するソリューションをお客様に提供するためのツールを用意することが重要です」と伝えている。

ステート・ストリート・デジタル部門の代表であるナディーン・チャカー(Nadine Chakar)氏は「ステート・ストリート・デジタルの基盤となるインフラへの提携や投資だけでなく、数々のデジタル機能やその他のソリューションを開発してきました。ステート・ストリートは、デジタル市場インフラの進化において大きな役割を担っており、この新部門は、当社の専門知識とリソースを会話に反映させるのに役立ちます。デジタル通貨やトーカナイゼーションが勢いを増すだけでなく、金融インフラやオペレーションモデルを変革していく中で、当社はお客様が今日の業界と明日の業界のギャップを埋めるお手伝いができると思います」と伝えている。

編集部のコメント

2021年4月にステート・ストリートは、Iconic Funds GmbHの子会社であるIconic Funds BTC ETN GmbHが開始する予定のビットコインを裏付けとしたETN(上場投資証券)の管理者として任命されたことを発表しています。この上場投資証券はドイツ証券規制当局(BaFin)の承認を経て、フランクフルト証券取引所に上場される予定となっています。また3月には、米国証券取引委員会(SEC)の承認待ちのビットコイン上場投資信託(ETF)であるVanEck Bitcoin Trust(The Trust)のファンド管理者および名義書換代理人に指名されたことも発表しています。

参考:ステート・ストリート
デザイン:一本寿和
images:iStocks/Sushiman

この記事の著者・インタビューイ

竹田匡宏

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

兵庫県西宮市出身、早稲田大学人間科学部卒業。
「あたらしい経済」の編集者・記者。

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