インド中央銀行、暗号資産へ前向きな方針を示す
インドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)は、一部の商業銀行が顧客に対して暗号資産(仮想通貨)取引を禁止することはできない旨の公式文書を5月31日に公開した。
この背景には一部の商業銀行が、インド準備銀行の2013年から2017年に及ぶ暗号資産取引リスクに関する公告を引用して顧客に暗号資産取引サービスを提供していないことがある。
インド準備銀行の暗号資産取引リスクを説明した公告は2020年3月に無効となっているため、現在は引用することができない状態だ。
インド準備銀行のこの動向に関して、Binance傘下の暗号資産取引所WazirXのCEOであるニシャル・シェッティ(Nischal Shetty)氏は「RBIの動きは本当に素晴らしいものです。これにより暗号資産業界にサービスを提供すべきかどうか迷っていた銀行にとって、多くのことが明らかになりました」とThe Blockに答えている。
またインド準備銀行は、今後の規制方針などに関して「銀行は顧客の把握(KYC)、マネーロンダリング防止(AML)、テロ資金対策(CFT)、海外送金のための外国為替管理法(FEMA)などの規制に沿って、顧客のデューデリジェンスプロセスを実施しなければなりません」と説明している。
編集部のコメント
インドでの暗号資産の取り扱いについては、2018年にインドの中央銀行であるインド準備銀行(RBI)が暗号資産関連の企業へサービス提供をすることを規制し、それに対し2020年3月にはインドの最高裁判所がRBIの規制を違憲とする判断を下し、RBIもそれを認めていました。 これにより正式にインド国内の銀行全てが暗号資産に関する事業者などにサービスを提供することが可能となり、インドの暗号資産市場に盛り上がりがみられると思われていました。
しかし規制当局や政府はリスクなど、その投機性を警戒し、暗号資産に関して懐疑的な姿勢を見せており、中央銀行デジタル通貨の必要性を優先的に検討しているとされていました。
その後今年に入り、インドの国会にて国内での暗号資産(仮想通貨)取引を禁止する法案「2021年の暗号通貨と公式デジタル通貨の規制法案:The Cryptocurrency and Regulation of Official Digital Currency Bill, 2021」が1月29日に提出されました。
この法案は未だ可決はされていませんが、ロイターは報道にて、RBIによるこの一連の動きは規制法案の提出をうけ行われたものであると説明をしています。
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参考:インド準備銀行
デザイン:一本寿和
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