貿易金融コントゥールと金属鉱業マインハブ、両ブロックチェーンソリューション統合へ向け提携
シンガポール拠点の貿易金融企業であるコントゥール(Contour)とカナダ拠点の金属・鉱業企業であるマインハブ(MineHub)が、両社が開発・提供するブロックチェーンソリューションを統合利用する為に提携したことを5月18日発表した。
コントゥールはデジタル信用状(L/C:Letter of Credit)発行など、貿易金融に関するブロックチェーンソリューションを提供している。またマインハブは鉱業サプライチェーンの可視化を行うブロックチェーンソリューションを提供している。
今回の提携により、マインハブでのトランザクションデータがコントゥールのネットワークにシームレスに流れ、API接続を利用してデジタル信用状を作成することが可能になる。それによりマインハブのコンソーシアムに参加する鉱山会社はコントゥールのコンソーシアムに参加する中国銀行、Citi、DBS、HSBCなどの銀行からなる貿易金融ネットワークより融資を受けられるようになるとのことだ。
なおコントゥールはR3社のエンタープライズ向けブロックチェーン「Corda(コルダ)」によって稼働しており、マインハブはIBMが主導するエンタープライズ向けブロックチェーン「Hyperledger Fabric(ハイパーレジャーファブリック)」を基盤に利用している。リリースによると基盤技術は異なるが、API接続により対応は可能であるようだ。
両社はリリースで、DX(デジタルトランスフォーメーション)を行うことが今後10年間で金属・鉱業界に3,200億ドル以上の価値をもたらすと言われているとし、そのうち今回の取り組みのような参加者間でより良いデータ交換を可能にする技術の統合がそのうちの770億ドルになると説明をしている。
編集部のコメント
L/C(Letter of Credit:信用状)とは、輸入者(買主)の取引銀行が輸出者(売主)に代金の支払いを確約する保証状のことです。 信用状を介して取引をすることで、輸入者は輸入代金を前払いする必要が無くなり、輸出者が商品を送り出した後でも代金回収するのが確実になります。
買主が支払い不能になっても、信用状発行銀行がその手形を支払うため、リスクの高い取引先の場合には信用状取引を行うことが勧められています。
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(images:iStocks/shilh)