ディエム(Diem 旧Libra)協会、「Diem USD」発行へ方針転換
フェイスブックのNovi、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)、コインベース(Coinbase)など26組織で構成されるDiem協会が完全子会社であるDiem Networks USとシルバーゲート(Silvergate Capital)との間でパートナーシップを締結したことを発表した。
シルバーゲートは、カリフォルニア州公認の銀行であり、連邦準備制度(Federal Reserve System)に加盟している。
この提携により、シルバーゲートはステーブルコイン「Diem USD」の独占的な発行者となり、準備金も管理する。またDiem協会は、スイスからアメリカに主要機能を移す予定だ。
アメリカへの機能移転はアメリカにおけるデジタル通貨の規制環境の変化を考慮したものともなっているようだ。
そしてDiem協会はスイス金融市場庁(FINMA)への決済システムライセンスの申請を取り下げることも発表した。またDiem Networks USは、米国財務省の金融犯罪執行ネットワークにマネーサービス事業者として登録する予定だ。
リリースによれば、今回のパートナーシップの締結は「Diem USD」の試験運用に向けた重要なステップとの位置付けだ。
Diem協会のCEOであるスチュアート・リービー(Stuart Levey)氏は「シルバーゲートは、金融イノベーションのリーダーであり、消費者を保護し、金融システムの完全性を高めるブロックチェーンベースの決済システムを推進するDiemにとって理想的なパートナーです。
私たちは、消費者と企業にとって安全で、決済をより早く、より安くし、ブロックチェーン技術を活用して、世界中のより多くの人々に金融システムの恩恵をもたらす決済システムを目指しています。この共通のビジョンを実現するためにシルバーゲートと協力できることを楽しみにしています」とコメントしている。
シルバーゲート社のCEOであるアラン・レーン(Alan Lane)氏は「私たちは、米ドル建てステーブルコインの将来性と既存の決済システムを一変させる可能性を信じています。
また私たちはDiemの技術と、規制に準拠した決済システムを構築し、安全でセキュアな資金移動手段を提供するというコミットメントに感銘を受けています。このプロダクトを自信を持って発表できる段階に来たことを嬉しく思います」とコメントしている。
編集部のコメント
現在Diem協会は決済サービスプロバイダー、ソーシャル・インパクト・パートナーなど26のメンバーで構成されています。メンバーはSpotify、Uber、Shopifyなどライフスタイル関連のテクノロジー企業も存在している。
参考:Diem
(images:iStocks/pgraphis・Ninja-Studio)