ルワンダにてブロックチェーンを活用した土地管理のパイロットプロジェクト開始
米ブロックチェーン企業Medici Land Governance(メディチ・ランド・ガバナンス:MLG)が、ルワンダ共和国政府との提携により、同国キガリ州ガサボ地区において、任意売却による土地移転をペーパーレスでより安全に行うパイロットプロジェクトを4月28日発表した。
Today marks the launch of MLG's pilot project Ubutaka, a paperless land transfer system in Rwanda. Ubutaka will help register land transfer using Public Key Infrastructure (PKI) and record the cryptographic data on Blockchain for proof of existence. https://t.co/ETyoAVMErU
— Medici Land Governance (@medici_land_gov) April 28, 2021
このパイロットプロジェクトにはMLGが開発したブロックチェーン土地取引プラットフォーム「Ubutaka(ウブタカ)」が利用され、ルワンダの既存の土地登記インフラストラクチャと統合され、実験が行われるとのことだ。
2009年以降ルワンダでは土地管理のデジタル化に取り組んでいるが、現状申請者は時間のかかる多くの書類の提出が求められているという。また既存のシステムでは、土地の名前の重複、データエラー、書類の誤配置などのヒューマンエラーや、詐欺、記録の改ざんなど数々の問題を抱えているという。
このような非効率的で不正確な登記システムは多くの開発途上国で共通の課題となっている。正確な事務処理が行われないと、土地所有者は所有権を証明できなくなり、人々は不動産の開発に投資することを躊躇することになる。さらに土地管理における標準化と監査の欠如は、腐敗と詐欺につながる問題となる。
ブロックチェーンを活用した「Ubutaka」を現行の登記システムと連携することで、すべての取引データのデジタル証明、公務員(作業者)による承認、登録機関による承認がパブリック・ブロックチェーンに公開され、将来の監査の際など関係者全員による反論の余地のない証明になるとしている。
MLGのCEOであるアリ・エル・フセイニ(Ali El Husseini)氏は「我々は、ルワンダ市民が、安全でペーパーレスな方法で、時間や仕事を失うことなく、あらゆる種類の土地移転を実行できるようになることを楽しみにしています」とリリースにて述べている。
なお3か月のパイロット期間終了後にシステム評価が行われ、利用地区の拡大と任意売却以外での利用の検討を行うとのことだ。
(images:iStock/Lidiia Moor・thierry-kapay)