みんな電力のブロックチェーンシステム活用の電力で作られた日本酒が販売開始
みんな電力株式会社が、同社のブロックチェーン技術を活用した電力トラッキングシステムを通じた電力を製造過程で利用した日本酒の販売開始を4月6日発表した。
みんな電力ではStellar(ステラ)のパブリックブロックチェーンを利用した商用P2P電力トレーサビリティシステム「ENECTION2020」を開発しており、このシステムは再生可能エネルギー由来の電気の生産者と購入者をつなぐ「顔のみえる電力」等、みんな電力の「顔の見えるライフスタイル」事業の基盤として活用されている。
今回販売開始された日本酒「推譲(すいじょう)」の製造過程に利用された電力は、おひるねみかんODAWARA発電所の太陽光パネルにて発電されたもので、その電力をみんな電力のトラッキングシステムを通じて「推譲」の製造元である井上酒造株式会社(寛政元年創業)が購入し「推譲」の製造・販売に利用している。なお電気の使用用途としては、酒を造る酒蔵内の照明、洗米機、蒸した米を冷やす放冷機、瓶詰めなどの機械への利用が主となるようだ。
また「推譲」の原料には、おひるねみかん発電所で作られた米も使用されている。同発電所は全国に約42.5万haあるといわれる耕作放棄地を活用したソーラーシェアリング型発電所で、太陽光発電を行うと同時にパネルの下で稲作を行っている。このように「推譲」は、酒造りに再エネ電力を利用することで製造過程においてCO2を削減するだけでなく、電気も米も生産者の顔が分かるサステナブルな一品であるとのことだ。
みんな電力株式会社の代表取締役である大石英司氏はリリースにて「当社のブロックチェーン技術によって電気の産地証明がされ、かつ再エネ100%電力を利用した世界初のお酒が誕生しました!とても画期的な挑戦ですが、志のある事業者さんにとっては意義を持って取り組んでいただける事例でもあります。今回の取り組みをどんどん全国に広げていきたいと思っています」とコメントしている。
参考:みんな電力
(images:iStocks/Nobi_Prizue・Kateryna-Bereziuk)