グレースケールがビットコイン投信をETF化する意向表明
大手暗号資産(仮想通貨)運用会社グレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が、同社の投資信託であるグレースケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)を上場投資信託(ETF)化する方針であることを4月5日に発表した。
グレースケールは今回発表した方針について「何よりもまず明確にしたいのは、当社はGBTCのETF化に100%コミットしているということです」と述べている。
グレースケールによるとGBTCをはじめとする同社の金融商品は「私募」「流通市場での公開価格の取得」「SECへ報告会社として申告」「ETF化」という4段階のライフサイクルを想定して開発されており、現在GBTCは3段階目の位置にあるとのこと。
グレースケールは2016年にも米国証券取引委員会(SEC)にビットコインETFを申請している。SECと長期にわたり対話を行ったが、当時は規制環境が整っていなかったためETF化を断念している。
なおグレースケールはGBTCのETF化を表明しているものの、現時点でSECにビットコインETFの申請は行っていない。
GBTCは従来の市場にビットコインへのアクセスを提供することを目的として2013年に発売されたビットコイン投資信託であり、現在世界最大のビットコインファンドとなっている。GBTCは店頭市場で取引可能であるが、現在その価格はビットコイン現物価格よりも約10%ほど割引された価格となっている。この価格乖離を受け、グレースケールは私募の新規受付の停止、親会社による大規模な買戻しなどを行っているが、価格乖離は依然として続いている状況だ。
編集部のコメント
グレースケールは現在3段階目の「SECへ報告会社」として昨年1月にビットコイントラスト(GBTC)が登録を完了し、イーサリアムトラスト(ETHE)については昨年10月に登録が完了しています。
SECの報告会社として商品を登録することは機関投資家らへの信頼性を高め、SECに登録されていない投資信託を投資先とみなさない機関投資家も投資商品として考え直す機会となります。
(images:iStocks/KrulUA・LongQuattro)