日銀、中央銀行デジタル通貨の実証実験開始
日本銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験を開始したことを4月5日発表した。
今回の概念実証フェーズ1においては、システム的な実験環境を構築し決済手段としてのCBDCの中核をなす発行、送金、還収等の基本機能に関する検証を行う予定とのこと。
なお実施期間は、2022年3月までの1年が想定されている。
編集部のコメント
日銀は同行決済機構局に昨年7月20日付で「デジタル通貨グループ」を新設し、デジタル通貨発行の課題を探る専門組織として、中央銀行によるデジタル通貨を発行する際の技術的な課題や法制度上の問題点を検討や民間を含めた決済システム全体の課題の調査をおこなっていました。
その後昨年10月9日に日銀は「中央銀行デジタル通貨に関する日本銀行の取り組み方針」を公表。この方針で日本銀行は、今後CBDCに対する社会のニーズが急激に高まる可能性もあるとし、「現時点ではCBDCを発行する計画はない、が決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、今後の様々な環境変化に的確に対応できるよう、しっかり準備しておくことが重要であると考えている」ため「個人や企業を含む幅広い主体の利用を想定した一般利用型CBDCについて、日本銀行の取り組み方針を示すこととした」としていました。
なおこの資料には「概念実証フェーズ1は、2021年度の早い時期に開始することを目指している」と記載がされていました。
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参考:日本銀行
(images:iStocks/Ninja-Studio)