富士フイルムとトレードワルツが貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®」のトライアル開始
富士フイルムホールディングス株式会社と株式会社トレードワルツが2021年4月1日より貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®」のトライアルを開始することを発表した。このトライアルには、富士フイルムグループの物流協力会社である商船三井ロジスティクス株式会社と丸全昭和運輸株式会社も参加するとのこと。
株式会社トレードワルツは株式会社NTTデータ、三菱商事株式会社、豊田通商株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、株式会社三菱UFJ銀行、兼松株式会社、損害保険ジャパン株式会社の共同出資によって2020年に設立された合弁会社だ。
また「TradeWaltz®」は、情報の改ざんが難しいデータ構造を有するブロックチェーンの採用により高いセキュリティを実現し、貿易業務に関する文書を電子データで一元的に管理できる貿易情報連携プラットフォームだ。
このトライアルは、富士フイルムホールディングスが、貿易業務の電子データでの一元管理を可能とするトレードワルツの貿易情報連携プラットフォーム「TradeWaltz®」を一部の貿易業務にて試験的に導入し、効果検証を行うためのものとなる。なお製造業での「TradeWaltz®」の活用は、今回が初めてとのことだ。
具体的に、富士フイルムホールディングスは世界に多数の拠点を有するグローバル生産・販売体制の中で、貿易業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するため、「TradeWaltz®」を活用する。
そして富士フイルムホールディングスの物流子会社である富士フイルムロジスティックス株式会社に「TradeWaltz®」を試験的に導入し、富士フイルム・富士ゼロックス製品の貿易業務において「TradeWaltz®」による効果検証を行う。今後このトライアル結果を踏まえて、「TradeWaltz®」の全面導入を検討していくようだ。
追記:4月1日12時
あたらしい経済編集部はトレードワルツの担当者へ取材を行った。
トレードワルツ担当者へ取材
-「TradeWaltz®」 と他社のソリューションを比較した場合、 優位性はなんでしょうか。
1)荷主に特化した機能
– 日本の荷主の「貿易コーディネーション業務(商流)全体」 にフォーカスした製品であり、導入効果まで実証・公開されていること。
⇔ 通常は書類作成や、銀行決済、保険、 物流など1機能に特化したものが多い。
2)産業横断的に貿易のプロセス・データを統合管理
– 書類のみならず「貿易プロセスとデータ」を統合管理するからこそ 、 コンプライアンス対応やデータ活用した付加価値サービスが企画で きること。
⇔ 通常は難易度の低い書類単位や1機能にフォーカスして機能開発している。
3)国の標準的位置づけ
– 産業横断的な資本構成、日本の貿易実務者の99.7%が利用するNACCSや実務者の3-4割が使う貿易PKGトップシェア TOSSとの協業、各省庁の支援により、「国の標準」 サービスに近いブランディングが進んでおり、国内・ 海外ともにシステム接続や協業依頼が増えてきている。
⇔ 1民間サービスの位置づけの場合、 競合比較して性能差や好みで選ぶことになり、 一部のユーザー利用にとどまるが、
NACCSのような国の標準的位置づけになることで貿易にかかわる全産業プレーヤーと接続でき、今ままでにない産業横断的な貿易DXが実現できる。
(images:iStokcs/OstapenkoOlena)