分散型金融プラットフォーム「Uniswap V3」が5月5日にローンチか
分散型金融プラットフォームUniswapが「Uniswap V3」を2021年5月5日にローンチする予定であることを発表した。
またUniswapはトランザクションの処理の効率性などを改善するレイヤー2のソリューションとして「Optimism」の展開もローンチ後に予定しているようだ。
Uniswapはアルゴリズムによって自律的に取引を制御・執行させる「オートメーテッド・マネー・メイカーズ(Autmated Money Makers:AMM)」だ。
「Uniswap V3」の概略としては、大きく分けて「1.マーケットメーカ(LP)がトークンプールのために提供する流動性の価格幅を決定できる仕様にすること2.マーケットメーカが背負うリスクに応じて報酬割合を変化する仕様にすること」の2つが説明されている。
マーケットメーカーの報酬割合は、0.05%、0.30%、1.00%という3つの手数料から選択されるようになる。
そして「Uniswap V3」のトークン交換時のGas代は「Uniswap V2」よりもわずかに安くなるとのこと。そしてレイヤー2の「Optimism」が展開されたあとは、大幅にガス代が安くなるようだ。
またマーケットメーカーの流動性提供のポジションについてはNFTで表されるようになるとのことだ。
具体的にリリースでは「マーケットメーカーは1つのプールの中で、異なる集中ポジションをいくつでも組み合わせることができます。
例えば、ETH/DAIプールのマーケットメーカーは、100ドルを1,000~2,000ドルの価格帯に、さらに50ドルを1,500~1,750ドルの価格帯に配分することができるようになります」と説明している。
これはマーケットメーカーが特定通貨の流動性を提供している場合に生じる価格変動差損を生じにくくさせる狙いがある。
価格変動差損とはマーケットメーカーが流動性提供を終了して引き出した際のトークンの時価と現時点の時価を比較した際に、発生する損失のことだ。マーケットメーカーは流動性提供を行う価格帯を設定することで、その価格以上になった場合には計算をしない仕様となる。
また「Uniswap V3」において、マーケットプール内の価格は、過去9日以内の任意の期間の時間加重平均価格(TWAP)プロトコルを導入して、リアルタイムに反映させることができるようにするようだ。
TWAPはCompoundなど他のDeFiプロトコルでも利用されている価格決定プロトコルだ。現在価格決定時の課題として「Uniswap V2」ではオラクルにより価格差が生じていて、アービトラージートレーダはその差分で稼ぐために流動性プール内のトークン数を調整することができていることがある。
リリースで開発者らに対して「私たちは、分散型金融インフラは最終的にフリーのオープンソースソフトウェアであるべきだと強く信じています。同時に、Uniswapコミュニティは、Uniswap v3 Coreのコードベースを中心としたエコシステムを最初に構築すべきだと考えています」と伝えている。
(images:iStocks/Kateryna-Bereziuk・Andrei-Filippov・artacet)