英HSBCがGoogle Cloud上でCordaを利用可能に
イギリスの銀行HSBCがブロックチェーン開発企業R3のブロックチェーン基盤「Corda Enterprise」を「Google Cloud」で利用できるようにしたことを2月26日に発表した。
具体的にはHSBCの「Digital Vault」のカストディプラットフォームが「Google Cloud」で利用可能になった。「Digital Vault」は株式、債務、不動産など私募を通じて発行された資産のカストディを行っている。
これにより、クライアント・オンボーディング時間が数ヶ月から数週間に短縮され、クライアントの体験価値が向上し、コストが大幅に削減されるようになるとのこと。 また「Corda」の技術を「Google Cloud」で利用できるようになることで、紙の証明書の代わりにデジタルトークンを発行するなど、将来的にトランザクションのライフサイクルを台帳上に移行するオプションが銀行に与えられるようになる。
HSBCのマーケッツ&証券サービス部門の分散型台帳技術とトークン化の責任者であるガウラヴ・アッガルワ(Gaurav Aggarwal)氏は「Cordaの技術をGoogle Cloudで利用可能にした最初の組織であることは、ブロックチェーンとクラウド技術に対するHSBCのコミットメントをさらに示すものです。
これは、オンボーディングの時間を短縮し、コストを削減するだけでなく、取引のライフサイクル全体が分散型台帳上に保存されるような将来への準備にも役立ちます」とコメントしている。
R3の最高収益責任者であるキャシー・ミンター(Cathy Minter)氏は「将来のデジタル資産クラスのカストディをサポートする上でのブロックチェーンの可能性は計り知れないものがあります。
HSBCがCordaをGoogle Cloudで利用可能にすることで、クライアントはより迅速なオンボーディング時間とコスト削減の恩恵を受けることができます。Cordaは最高水準のプライバシーとセキュリティを念頭に置いて構築されています。
このプラットフォームは、HSBCのグローバルなカストディ業務を行うクライアントが、安全かつリアルタイムで個人資産の詳細にアクセスできるようにするのに最適なプラットフォームです」とコメントしている。
Google Cloudのグローバル金融サービス担当バイスプレジデントであるデレク・ホワイト(Derek White)氏は「HSBCが銀行の未来に向けて準備を進める中で、消費者、企業、エコシステムを新たなイノベーションで結びつけるために、最高のクラウド技術のスピード、スケール、セキュリティを提供できることを誇りに思っています」とコメントしている。
(images:iStocks/Cemile-Bingol)