ブロックチェーンを活用した投資ファンドのための報告ツール「TURN」が欧州全域で稼働開始
ブロックチェーンを活用した投資ファンドの報告ツールである「TISA Universal Reporting Network(TURN)」が欧州全域で稼働開始したことが12月21日に明らかになった。
イギリスでは資産運用企業の60%がTURNの利用を開始しているようで、明らかになっている利用企業はAllfunds、Calastone、Deutsche Bank、Fidelity International、Link Group、MFEX、KNEIP、Transact Deutsche Wealth Services、FNZ、Fund Connectだ。
TURNの最初のアプリケーションは購入した投資信託や投資ファンドのコストについて、より信頼性の高いデータを顧客と共有できるようにするためのレポーティングツールとなっている。レポーティングツールを活用することで、利用企業は品質に一貫性のあるデータをリアルタイムで共有することができるようになるとのこと。これまでは報告書に一貫性がないため、ファンドがコストを正確に開示することが困難だったとのことだ。報告書に一貫性を持たせられるようになったのは「欧州が欧州MiFIDテンプレート(EMT)」という報告形式を採用したからとのこと。
TURNのCEOであるゲイリー・ボンド(Gary Bond)氏は「TURNが始動したことを発表できることを嬉しく思います。これは業界主導で運営されている非営利のイニシアチブであり最終的には消費者に最適な商品が提供されることを保証すると同時に、資産運用会社の管理にかかるコストと時間を削減します。TURNがヨーロッパ中の資産運用会社、流通業者、IT企業、その他のプラットフォームに与える影響は非常に大きい。ついにテクノロジーが投資家とその資産運用会社のニーズに追いついてきたのです」とコメントしている。
MFEXのマネージング・ディレクターであるマット・ニューナム(Matt Newnham)氏は「MFEXはTISAとともにこのプロジェクトを立ち上げて以来、TURNが欧州全域の市場に登場したことに感激しています。私たちはすでに資産運用・ファンド流通業界向けのデータ・ユーティリティーを通じて、規制データとファンドデータの完全な透明性、不変性、効率的な交換を構築することのメリットを実感しています」とコメントしている。
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