ペイパルが米国限定で暗号資産(仮想通貨)売買サービス開始
ペイパル(PayPal)が暗号資産(仮想通貨)の売買サービスをアメリカ国内で11月12日にローンチした。取り扱われている暗号資産はビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄。また暗号資産の売買手数料などは不要のようだ。
ペイパルの広報担当者顧客は「このサービスの初期需要が多かったため、暗号資産の購入限度額を約105万円/週($10,000)から約205万円($20,000)に増加しました」と米国暗号資産関連メディアThe Blockに伝えている。
ペイパルの最高経営責任者(CEO)を務めるダニエル・シュルマン(Daniel Schulman)は「当社の基盤はこれらの機能を提供することを非常に熱望しています。ユーザーの暗号資産サービス利用の事前登録が予想以上に大きかったです」とリリースで伝えている。
PayPalが11月2日に発表した第3四半期の決算発表資料で、ダニエル・シュルマンは「ペイパルの第3四半期は、当社の歴史の中で最も好調な四半期の1つでした。当社の成長は、このコロナウイルスの大流行の中、お客様の日常生活において当社が果たす本質的な役割を強化しています。今後は、デジタル通貨と支払いのあらゆる形態を包含し、物理的な世界とオンラインの世界の両方でシームレスに動作する、最も魅力的で拡張性の高いデジタルウォレットを作成するために投資を行っています」とコメントしている。
編集部のコメント
ペイパルはこのサービスを2021年前半にペイパル傘下の個人送金アプリ「ベンモ(Venmo)」と一部の国に対し提供する予定となっています。決算資料によるとベンモは約440億ドルのTPV(トータルペイメントボリューム)を処理し、前期より61%増加しています。
なおこのサービスは米暗号資産サービスプロバイダーのパクソス・トラスト・カンパニー( Paxos Trust Company)と提携して開発されています。PayPalがこのサービスを提供する狙いとして、最終的には世界中にある2,600万以上のPayPal加盟店での購入資金源として暗号資産を利用できるようにすることで、暗号資産の有用性を大幅に高め、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の発行に備えるためのようです。スクエアのビットコイン売買に関する決算も非常に順調で、ペイパルも同様の結果を求めているのではないでしょうか。特に最初の段階としてペイパルが10月に発表したヴェンモのVisaネットワークを搭載した「ヴェンモ・クレジットカード(Venmo Creditcard)」を利用した暗号資産の決済ソリューションの動きが出てきそうです。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:iStock/Panuwat-Sikham・Igor-Korchak)