SBI子会社マネータップにリップル社が出資

SBI子会社マネータップにリップル社が出資

SBIホールディングス株式会社が、同社子会社のマネータップ株式会社に新たにリップル社(Ripple Labs Inc.)が出資参加することを10月28日発表した。なお出資額については明らかになっていない。

SBIホールディングスは2016年5月にリップル社と共同でSBI Ripple Asia株式会社を設立しており、SBI Ripple Asiaでは日本・韓国及び一部東南アジア地域を対象として事業展開を行っている。

またマネータップ社ではリップル社が保有する技術を用いて次世代決済基盤を開発し決済の24時間化・リアルタイム化を推進しており、またその技術を用いたスマートフォン向けアプリMoney Tapを提供している。

リリースによると日本の銀行間手数料の高止まりは40年以上是正されておらず、国際的にも特殊な状況であるという。マネータップは次世代金融インフラを提供する事で、硬直化した既存の決済インフラの料金水準に対して健全な競争原理を働かせ、経済活動の活性化や国際競争力の向上に貢献するとのこと。またこれによって送金等の一般利用者における振込手数料などの引き下げにも貢献できるとSBIホールディングスは考えているとのことだ。

マネータップは今回のリップル社の出資によりリップル社との連携をより一層深め、少額集金サービスや法人支払い機能、地域通貨Pay、海外送金サービス、インバウンド・アウトバウンド決済サービス、サプライチェーンファイナンス機能などの新機能・新サービス開発を加速させ、利便性向上による顧客満足度向上を目指すとのことだ。

編集部のコメント

リリースによるとリップル社のグローバル金融決済ネットワークRippleNetは数百社の金融機関等に採用されており、国際送金における遅延、コスト高、不確実性や不透明性を解決し、顧客や関連する金融機関に対して、リアルタイム、低コスト高効率化、確実性や透明性が確保された送金機能を提供し、優れた顧客体験を実現しているとのことです。

またリップル社の提供するOn-Demand Liquidity(ODL:オンデマンド流動性)は国際送金のブリッジ通貨としてデジタルアセットXRPを用いて従来の国際送金プロセスの煩雑さや為替コストの高さを解決するためのサービスで、既に20社以上の金融機関に採用されているとのことです。

このサービスを利用することで金融機関は現地通貨を事前に用意する必要がなくなるほか、ノストロ口座も不要となるとのことです。世界中のノストロ口座にある金額は総額5兆ドルに上ると言われており巨額の資金が外為決済のために死蔵しているが、金融機関がODLを利用することでノストロ口座が不要になり、流動性コストを大幅に削減可能になるとのことです(ノストロ口座:銀行間取引において資金決済を行う当方の決済口座、または外国に現地の通貨建で保有する当方の決済口座のこと)。

またマネータップ社提供のMoney Tapはリップルが保有する技術を用いて構築がされており、銀行口座番号だけではなく、携帯電話番号、QRコードのいずれかを振込先として指定し、自行内・他行宛を問わず銀行口座間での送金が可能となり、さらにQRコード決済機能も備えているとのことです。

コメント:大津賀新也(あたらしい経済)

(images:iStock/PhotoJunction)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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