電力のブロックチェーントレーサビリティサービスを提供する「みんな電力」がプレシリーズCラウンドにて15億円の資金調達
みんな電力株式会社がプレシリーズCラウンドとして新株予約権付転換社債発行などで総額15億円の資金調達を実施したことを10月26日発表した。
今回の資金調達は求人情報サイト「バイトル」などを運営するディップ株式会社のCVC(Corporate Venture Capital)DIP Labor Force Solution投資事業有限責任組合や株式会社丸井グループ、株式会社日本政策金融公庫などから行ったとのこと。
なおリリースによると今回の資金調達により、これまでのみんな電力の累計資金調達額は、現在まで約30億円となるとのことだ。
みんな電力は2011年に再生可能エネルギー事業会社として設立しており、Stellar(ステラ)のパブリックブロックチェーンを利用した商用P2P電力トレーサビリティシステム「ENECTION2020」を開発している。「ENECTION2020」は、再生可能エネルギー由来の電気の生産者と購入者をつなぐ「顔のみえる電力」を始めとしたみんな電力の「顔の見えるライフスタイル」事業の基盤に活用されている。
みんな電力は今回の資金調達を利用して、気候変動など地球規模での問題解決に向けた脱炭素社会実現への貢献を考えているとのこと。具体的にはCO2削減アクションの一つでもある「顔のみえる電力」の普及に努めるとともに、脱炭素化社会の実現を目指すさまざまな企業と積極的に連携することで、再エネ電気の利用を促進していくとのこと。また「ENECTION2020」の書き込み機能の高速化、低コスト化をより一層進めることで空気、リチウムイオンバッテリー、土、住居など電力以外の領域への事業拡大を図り、みんな電力の掲げる「顔の見えるライフスタイル」の実現を目指していくとのことだ。
編集部のコメント
みんな電力株式会社では「ENECTION2020」を活用した事業として、2016年に開始した発電者と生活者をつなぐ電力小売りサービス「顔の見える電力」や、2020年3月より開始した店舗やオフィスなどの改善された空気の状態をブロックチェーンに記録する「顔の見える空気」、そして同年6月にはスマートフォンで使用されるリチウムイオン電池の原料である希少金属のトレーサビリティプラットフォームの構築を検討する「顔の見えるバッテリー」などを展開しています。
また、みんな電力では今後「ENECTION2020」を活用して、健康な生産物ときれいな水を生み出す土環境の実現を目指す取り組みや、国産材のトレーサビリティを実現し、住居の購入やリフォームを検討する消費者が自由に国産材の種類を選択し、購入ができる仕組みづくり、そしてデジタルコンテンツやデジタル広告にも事業を展開していくとのことです。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock/BadBrother・sdecoret)