分散型情報キュレーションサービスEveripediaと分散型オラクルChainlinkが連携しAP通信社の米国大統領選のデータをブロックチェーン上で記録可能に

分散型情報キュレーションサービスEveripediaと分散型オラクルChainlinkが連携しAP通信社の米国大統領選のデータをブロックチェーン上で記録可能に

EOSブロックチェーン上の分散型アプリケーションサービス(Dapps)エブリペディア(Everipedia)が分散型オラクルネットワークを提供するチェインリンク(Chainlink)と協力し、アメリカ国内の放送局や新聞社の協同組合であるAP通信が報道するアメリカ大統領選挙結果をブロックチェーン上に記録できるようにすることを10月16日に発表した。

EveripediaはWikipediaのような情報キュレーションサービスで、正確な情報を提供してくれたユーザーにはトークンが配布される仕組みとなっている。

EveripediaとChainlinkは、EveripediaがChainlinkのノードを運用することで協力する。この協力によってEveripediaはAP通信社のAPIから直接データが送られてきたことを検証するために必要な暗号化証明に裏付けられたアメリカ大統領選挙データへのアクセスをスマートコントラクトに提供できるようになる。この検証可能なデータがオンチェーンで利用可能になることで、スマートコントラクトの開発者は、予測市場、デリバティブなど、来るべきアメリカ大統領選挙の結果に基づいた新しい金融商品を作成することができ、そのすべてを信頼性を担保し作成、実行、決済することができるようになるとのこと。

Everipediaの最高技術責任者であるトラビス・ムーア(Travis Moore)氏は「これはEveripediaのOracle As A Servixeを実際に利用した最初の事例であり、私たちがChainlinkを選択した理由はChainlinkが比類のない信頼性とインフラストラクチャの進化において業界標準であったからです」とコメントしている。

Everipediaのビジネス・ディベロップメントを務める(David Liebowitz)「AP通信社のような組織が何かに価値を見出したとき、彼らは物事を軽んじるのではなく、全力で取り組むのです。Everipediaはブロックチェーンベースのスマートコントラクトを使用するためのAPIデータを直接署名して公開した最初の企業となることで、歴史を作ることになります」とコメントしている。

Chainlinkのビジネス開発責任者であるダニエル・コチス(Daniel Kochis)は「Chainlinkはブロックチェーンと現実のデータの間の技術的ギャップを埋めようとしています。初めてブロックチェーン上にAP通信社の選挙戦のデータを記録されることは、Chainlinkの大きなマイルストーンとなります。これにより歴史的な選挙を追跡するための検証可能で改ざん防止の記録を提供することができます」とコメントしている。

編集部のコメント

EverpediaがChainlinkをオラクルソリューションとして採用した理由についてリリースに詳しく記載されています。Everpediaが各オラクルソリューションのリスクや価値、コスト構造など含めて分析をした結果Chainlinkが最も安全で信頼性の高いソリューションであることが分かったとのことです。

現在のChainlinkの特徴として(1)データが署名される(2)あらゆるブロックチェーンでの相互運用性(3)大規模なユーザー市場(4)堅牢なセキュリティの4つが説明されています。

大企業が保持するデータが改竄されることなく、ブロックチェーンへ記録され、保持されることはとても大きな意味があります。なぜなら多くのサービスプロバイダーがスマートコントラクトを通してそのデータをサービスへ利活用できるようになるからです。そのような潮流においてChainlinkは極めて重要なポジションにいると思われます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/maystra・vitacopS)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した