暗号資産業界の有識者らが「フィンセン(FinCEN)文書」を非難

暗号資産業界の有識者らが「フィンセン(FinCEN)文書」を非難

暗号資産(仮想通貨)業界が「フィンセン(FinCEN)文書」の問題を通して政府と規制当局の失敗を非難しているとディクリプト(Decrypt)が報じた。

「フィンセン文書」とは2000年から2017年にアメリカ金融当局に送られて来た金融取引に関する顧客の不審な動きなどの報告がまとめられたものだ。事態が明らかになった経緯は、アメリカ財務省の金融犯罪取締ネットワークが管理していた「フィンセン文書」が流出してしまったからである。

また「フィンセン文書」によって、世界的に著名な金融機関であるHSBC、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカ、シティバンク、バークレイズ銀行、ドイツ銀行などがテロリストや犯罪者らの資金取引を認めていたことが明らかになった。

暗号資産に特化したアドバイザリー企業であるフアン・ラノス・アドバイザーズのコンプライアンス担当役員兼アドバイザーのホアン・ラーノス(Juan Llanos)氏は「今日問題となっているのは、政府や規制当局の正当性と能力です。フィンセン文書は不適切な設計、歪んだインセンティブと私たちの欠陥のある人間性に関係している世界的なシステムの失敗の結果です」とディクリプトに語っている。

ブロックチェーンリサーチラボ(Blockchain Research Lab)の共同設立者であるインゴ・フィードラー(Ingo Fiedler)「要点は犯罪者に刑法を適用することです。過去のマネーロンダリングの不祥事で銀行が支払わなければならなかった罰金は、通常、銀行が不正な流れを処理して得た利益よりも小さかったです。刑法が最終的にこのようなケースに適用され、責任のある銀行員は刑務所に入るべき時が来ています」とコメントしている。

チェイナリシス(Chainalysis)の政策責任者であるジェシー・スピロ(Jesse Spiro)氏は「ブロックチェーン分析と組み合わせた暗号資産固有の透明性は、金融犯罪の検出、報告、調査をより効率的にします。従来の資産クラスでは、このような透明性はありません」とコメントしている。

編集:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:iStock/artsstock)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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