ハワイ州のパイロットプログラムにてbitFlyer USAなど12社が取引所事業の運営可能に

ハワイ州のパイロットプログラムにてbitFlyer USAなど12社が取引所事業の運営可能に

米国ハワイ州の商務庁(DCCA)が、同庁とハワイ州のテクノロジ―産業の開発を担当する州政府機関のHTDC(Hawaii Technology Development Corporation)とハワイ州金融機関局(DFI)の3機関が共同で実施するパイロットプログラム「Digital Currency Innovation Lab(DCIL)」に参加する暗号資産(仮想通貨)企業を19日に発表した。

このパイロットプログラム「Digital Currency Innovation Lab(DCIL)」は、同プログラムによって承認をした暗号資産(仮想通貨)企業に対して既存の規制を考慮せずに事業を行う権利を付与するというものである。 ・今回このDCILプログラムにApex Crypto、bitFlyer USA、BlockFi Trading、CEX.IO、Cloud Nalu、Coinme、ErisX、Flexa Network、Gemini Trust Company、Novi Financial、River Financial、Robinhood Cryptoの12の暗号資産企業が承認され、2年間の期限付きでハワイ州での事業を行うことが可能になった。

HTDCのプレスリリースによると、DCILプログラムを実施する狙いとして、デジタル通貨の早期導入による経済機会の創出、消費者保護の提供、デジタル通貨関連の規制作成のためのデータ提供の3点が挙げられている。

本来、ハワイで暗号資産の取引事業を行うためには、企業は扱う暗号資産と同量の法定通貨を保持する必要があり、この厳しい要件の影響でハワイで暗号資産取引事業を運営するのは困難であった。しかしDCILプログラムで承認された企業の場合、この要件にとらわれずに取引事業の運営ができる期間が2年間与えられる。企業の取引はDFIによって監視されるものの、DFIは企業に対して「no action」の姿勢を保つことを公表している。

編集部のコメント

このパイロットプログラムはいわゆる「規制のサンドボックス」と呼ばれるものの一つで、新興テクノロジーに対する規制の改善に必要なデータを収集するためにあえて規制を取り払った状態での運営を許可するものです。新興テクノロジー業界では事業者が規制遵守に奔走するあまり革新的な事業に着手することができないという事態が起こりやすいため、このように政府の監視のもとで規制を一時的に緩和し、新たな事業創出や規制の見直しを促進させています。

日本でも2018年から規制のサンドボックス制度が導入されており、これまでに暗号資産関連では「暗号資産交換業者間で即時に暗号資産の売買を実現できる取引環境の構築」をするために株式会社Crypto Garageが同制度の認定を受けています。なお同制度には「保険料を事後的に徴収する保険の実現」に株式会社justInCase、「個人間においてSNS等の少人数グループ内で共通するリスクに備える保険の提供を可能にするシステムの構築」にFrich株式会社が認定されています。

(サンドボックス制度とは、期間や参加者を限定すること等により、既存の規制の適用を受けることなく、新しい技術等の実証を行うことができる環境を整えることで、迅速な実証を可能とするとともに、実証で得られた情報・資料を活用できるようにして、規制改革を推進する制度です。金融庁HPより)

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/dalebor・tampatra)

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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