日本政府がブロックチェーンでASEANの貿易基盤のデジタル化を支援
日本政府が東南アジア連合(ASEAN)の貿易基盤のデジタル化を支援する方針であることをSankeiBizが8月6日報じた。
この方針により通関申告や銀行の信用状発行、保険契約など貿易に関する一連の手続きを統合しデジタル化することで、ASEAN地域のサプライチェーンの強化を目指すとのこと。
SankeiBizによるとこの取り組みは、現在進行中の新型コロナウィルスによるパンデミックや米中貿易摩擦を考慮し、中国への供給網の依存度を下げることを目的としていると見られている。また日本とASEANとの経済協力関係をさらに深める狙いもあるという。
貿易基盤のデジタル化にはNTTデータをはじめ、三菱商事、日本通運など18社から構成されるコンソーシアム「TradeWaltz」が開発を行うブロックチェーンが利用されるとのこと。なおこの取り組みに関する実証実験は、年内にもベトナムで行われる予定とのことだ。
貿易に関わる一連の手続きの統合と膨大な紙の書類のやり取りをデジタル化しブロックチェーンで管理することで、輸出入にかかるコストの大幅な削減や詐欺、情報改ざんのリスク減少を期待しているとのことだ。
編集部のコメント
経済産業省は7月29日に開催された日ASEAN経済大臣特別会合にて、「日ASEAN経済強靱化アクションプラン」を発表し、日本とASEAN地域の経済強化を目的とした50を超えるプロジェクトを提示しました。同アクションプランの中でも供給網のデジタル化(デジタルトランスフォーメーション)については触れられていたため、今回のブロックチェーンによる貿易基盤のデジタル化もそのプロジェクトの中のひとつと考えられます。
コメント:小俣淳平(あたらしい経済)
(images:iStock/Igor-Korchak・inmoon)