マレーシア証券取引所がブロックチェーン技術を活用した債券発行の実証実験を開始

マレーシア証券取引所がブロックチェーン技術を活用した債券発行の実証実験を開始

マレーシア証券取引所とシンガポールのフィンテックプロバイダーHashstacks(ハッシュスタックス)が、マレーシアのラブアン国際金融取引所の債券市場の成長促進のために、ブロックチェーンを活用した債券発行の実証実験(PoC)を開始することを発表した。プロジェクトは「Project Harbour(プロジェクト・ハーバー)」と名付けられている。

Project Harbourの目的は、ブロックチェーン技術や資産のトークン化が債券領域へどのような機会創出があるかの検討だ。

このプロジェクトでマレーシア証券取引所は、マレーシア証券委員会、ラブアン金融サービス機構、CIMB投資銀行ベルハド、メイバンク投資銀行ベルハド、中国建設銀行ラブアン支店とともに、Hashstacsが構築したブロックチェーンプラットフォーム「Trident Platform(トリィデント・プラットフォーム」を利用し、トークン化された債券のエンドツーエンドの取引プロセス管理のテストとオペレーションを担うとのこと。

マレーシア証券取引所の最高経営責任者であるDatuk Muhamad Umar Swift(ダトゥク・ムハマド・ウマル・スウィフト)氏は「マレーシア証券取引所はこのような競争環境の中で勝ち残るために、技術革新や新技術の動向に細心の注意を払っています。そのための方法の一つとして、革新的な企業とのコラボレーションがあります。Hashstacksとの提携によるPoCは、債券市場を成長させるための知識を構築し、洞察を得るための貴重な学習体験を提供する機会となります。PoCは、業務効率を高め、債券発行コストだけでなく運営コストを削減することを目的としています。私たちは市場をさらに発展させ、取引所の有効性とアクセス性を向上させるために、新たな技術革新を活用していきます」とコメントしている。

HashstacksのマネージングディレクターであるMr Benjamin Soh(ベンジャミン・ソー)氏は「Hashstacksは、プラットフォーム上で債券の発行、サービス、取引、清算をするためのブロックチェーンソリューションを開発します。業界全体のエコシステムを構築することで、起債、サービス、取引、クリアリング、決済における完全なソリューションが可能になり、マレーシアは地域や国際的な債券の上場を誘致する上で先手を打つ優位性を持つことができるようになる可能性があります」とコメントしている。

編集部のコメント

債券領域へのブロックチェーン活用は進んでいます。2020年7月にフィリピンとタイが個人投資家向けにブロックチェーンを活用した国債を発行することを発表しています。

そしてSBIが野村ホールディングスのブロックチェーン関連会社Boostryへ投資をしました。さらにR3のCEOが新たに社債テクノロジーベンチャー立ち上げを発表をしました。特にマレーシア、フィリピン、タイなど東南アジアでは債券領域へのブロックチェーン活用が目立っています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

images::iStock/stockdevil・Oleksandr-Hruts)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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