PolkadotエコシステムとTEEの組み合わせによる次世代ソリューションについてのレポートが公開

PolkadotエコシステムとTEEの組み合わせによる次世代ソリューションについてのレポートが公開

Web3 FoundationのブロックチェーンへインターオペラビリティをもたらすプロジェクトであるPolkadot(ポルカドット)が、TEE(Trusted Execution Environment)とPolkadotエコシステムの組み合わせによって生み出される次世代のWebソリューションについてまとめたレポートを7月2日に公開した。

TEEとは、ICカードのセキュリティ等の標準技術の策定を行う非営利組織GlobalPlatformが定める技術仕様のひとつで、プロセッサーを通常の実行環境と安全な実行環境に分割することによって、アプリケーションの安全な実行環境を物理的に確保するセキュリティ技術である。

Web3 Foundationは新たなテクノロジーの開発を行うプロジェクトに対し助成を行っており、助成を受けているプロジェクトの中でもTEEとSubstrateフレームワーク(Polkadotブロックチェーンを構築するためのツール)の組み合わせを利用するユースケースが多いとのこと。TEEとSubstrateを組み合わせることにより、Polkadotエコシステムでプライバシーとセキュリティに取り組むための興味深い可能性が生まれるとのことだ。

このレポートではTEE×Substrateを活用するプロジェクトとしてはSupercomputing Systems AG、Phala Network、Advanca、Crust Network、Zondaxなどが挙げられている。

編集部のコメント

Polkadotは複数の異なるブロックチェーンをつなぐ共通基盤となるブロックチェーンで、異なるブロックチェーン間の相互取引を可能にし、かつ、お互いにセキュリティを共有することができるプロジェクトです 。

Polkadotエコシステムについては、中国のブロックチェーン系メディアChainNewsがpolkadotエコシステムのカオスマップと助成を受けているプロジェクトについてまとめた記事を7月3日に公開しています。この記事では助成金の認定数のランキングや各分野のプロジェクトの詳細な紹介が掲載されています。

特に日本のプロジェクトに着目すると、インターフェイス分野とスケーラビリティ分野と開発ツール分野で助成金を獲得しているStake technologiesが全体で2位となっているほか、セキュリティ分野ではLayerXの開発するZeroChainが、アプリケーション分野とモジュール分野ではソラミツが、スケーラビリティ分野ではCryptoeconomics Labがそれぞれ助成金を獲得しています。(なおStake technologies代表取締役社長の渡辺創太氏は自身のFacebookの投稿にて、助成金採択数が1件カウントされておらず実質同率1位であるとも述べています)

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:iStock/dalebor・phochi)

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