米半導体大手AMDとConsenSys(コンセンシス)がブロックチェーンデータセンター「W3BCLOUD」の立ち上げ
米国の大手半導体製造メーカAdvanced Micro Devices (AMD/アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)とブロックチェーン企業のConsenSys(コンセンシス)がジョイントベンチャー「W3BCLOUD」を設立したことを発表した。「W3BCLOUD」は合計2050万ドルの転換社債を発行し、AMD、ConsenSys、アラブ首長国連邦のいくつかのファミリーカンパニーから、資金を集めて設立された。
そして「W3BCLOUD」は初のEthereumブロックチェーンデータセンターを立ち上げ、運営していくとのことだ。今後さらに分散型データセンターのネットワークを世界中に拡大していく狙いがあるとのことだ。
「W3BCLOUD」の共同創業者兼CEOのSami Issa(サミ・アイサ)氏は「信頼性が高く、パーミッションレスで分散化された経済は、規模を拡大するために堅牢で専用のデータセンターを必要とします。W3BCLOUDは卓越したGPUメーカーと大手ブロックチェーン開発者を結集し、ブロックチェーン経済のためのコンピューターインフラを構築します」とコメントしている。
Ethereumの共同創始者でConsenSysの創設者であるJoseph Lubin(ジョセフ・ルービン)氏は「W3BCLOUDは、地球のために次世代の分散型コンピューティング、ストレージ、帯域幅を構築しています」とコメントしている。ちなみに、帯域幅とは通信するときに使われる電波や光の周波数の範囲のこと。
AMDのブロックチェーン・ビジネス・ユニットの責任者であるJörg Roskowetz(ヨルグ・ロスコウェッツ)氏は「ブロックチェーンのユースケースに焦点を当てた並列分散コンピューティングは、業界の中でも急速に成長している分野です。W3BCLOUDがブロックチェーンに特化した初のGPU中心のデータセンターをパワーアップさせ、2020年に複数の地域で積極的に展開しているのを見て、とても興奮しています」とコメントしている。
編集部のコメント
AMDの半導体は、Ethereumやその他の暗号通貨ネットワークのマイナーに長く使用されてきています。そしてAMDはマイニング装置のための専用のウェブポータルをホストしています。さらにAMDはゲーム用のブロックチェーン・アプリケーションに焦点を当てた組織であるBlockchain Gaming Allianceのメンバーでもあります。
AMDとConsenSysが分散型コンピューティングのためのデータセンターを立ち上げ、世界中に展開していくことは非常に大きなニュースだと思われます。今後もこのように大手企業とブロックチェーンスタートアップがジョイントベンチャーを立ち上げる流れは生まれてくるのではないでしょうか。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock/LuckyStep48・b14ckminus)