ニューヨーク・タイムズがブロックチェーン技術を活用したプロジェクトの進捗を公開

ニューヨーク・タイムズがブロックチェーン技術を活用したプロジェクトの進捗を公開

ニューヨーク・タイムズが2019年に発表していたブロックチェーンのプロトタイププロジェクトの進捗の詳細を公開した。

これまでにニューヨーク・タイムズ紙の研究開発チームは、オンライン上での誤報の問題に対処するためにブロックチェーン技術を活用したプロジェクトである「The News Provenance Project」を推進してきた。

このプロジェクトの目的は、ソーシャルメディア上での写真の流通経路とブロックチェーンが読者ソーシャルフィード内のニュース写真の信頼性を見分けるのに役立つかどうかを検証することだ。

これらの写真は「Field name、Description、Requirement、Data type、Example」などを記録しデータベースに保存される。

実証のプロトタイプでは理論的な報道機関のプライベートネットワークと、データベースと台帳の所有権を共有する模擬ソーシャルメディアプラットフォームが作成された。

このソーシャルメディアプラットフォームは、IBMのHyperledger Fabricを基盤としている。

ソーシャルメディアプラットフォームでは、システムネットワークの参加者が写真のメタデータに対して適切な権限を持っていることを確認するためにネットワークモデルが作成された。さらにニュース写真の履歴を理解するために必要なメタデータのフィールドを追跡するためのデータモデルも作成された。

このプロトタイプのユーザー実証を通してニューヨーク・タイムズは、読者がソーシャルメディアのフィード内の写真の情報に基づきニュースの信頼性を測っている可能性を明らかにした。

この実証では単純なスマートコントラクトを実装し写真データのトランザクションを送受信させたが想定した結果を得られなかったため、ニューヨーク・タイムズは、ブロックチェーン上のコンテンツはネットワークメンバーによってレビューされるべきだろうという結論に至った。

編集部のコメント

ニューヨークタイムズはIBMのHyper Ledger Fabricを活用してフェイクニュースや誤報を阻止するシステムを構築する計画を2019年7月24日明らかにしています。

ニューヨーク・タイムズはブロックチェーンを活用したプロジェクトを着実に進めていて、研究や実証も事細かく行なっています。彼らがウェブメディアにおけるフェイクニュース問題や著作権問題に対して本気で解決することを目指していることが伺えます。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)

(images:iStock/Vladyslav-Severyn)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

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