米フィラデルフィア連邦準備銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)についての論文を発表
米フィラデルフィア連邦準備銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)についての論文「Central Bank Digital Currency:Central Banking for All?」を発表した。
この論文では、リテール決済用のCBDCが流通すれば、市中銀行の預金機能は中央銀行の預金機能へ移行するかもしれないと結論づけられている。そして論文では、中央銀行が市中銀行とその他の分野でも競合した場合、市中銀行の預金獲得額は今よりも少なくなると予想されている。
またリテール決済用のCBDCが流通したとしても、中央銀行には長期融資を行う専門知識がないので、投資銀行へ融資業務などを卸売りする可能性があるのではないかと論文に記載されている。
中央銀行が市中銀行のことを意識せずCBDCを発行したならば、現状の金融バランスは確実に崩れるとこの論文では説明されている。
編集部のコメント
この論文では、将来的にCBDCが発行される可能性があり、インターネットによって銀行がリアル店舗を持つことなく通貨の流通を提供できることから、現在のような中央銀行と一般市民の間の急激な分離は終焉を迎える可能性が高いとも記載されています。
日本銀行のことを意識して日々生活をしている人は少ないと思われます。しかしCBDCが発行されたのならば、私たちがお金を中央銀行の預金口座に預けて、利用する日が来るのかもしれません。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:iStock /Elen11・Oleksandr-Hruts)