ジャーナリズムの改善を目指した分散型メディアプラットフォーム「シビル(Civil)」がプロジェクト終了へ
Civil Media Companyが同社運営のジャーナリズムの改善を目指していた分散型メディアプラットフォーム「シビル(Civil)」のプロジェクトを終了することを発表した。
シビルはブロックチェーン技術を活用し、ジャーナリズムを支援することを目的にしたプロジェクト。
プロジェクト終了の発表は、シビルを運営するCivil Media CompanyのCEOであるMatthew Iles(マシュー・アイルズ)氏が同社ウェブサイトのトップに「Ending the Civil Journey」というタイトルの投稿によって行われた。
なおシビルのニュースルームはブロックチェーンによって独立して運営されているため閲覧は引き続き可能だが、今後同社による開発と管理は行われないとのこと。
今後シビルのチームメンバーはブロックチェーン開発企業ConsenSys(コンセンシス)に合流し、引き続きメディアや広告に関する分散型IDの開発を進めていくとのことだ。
編集部のコメント
シビルは、広告やフェイクニュース、外部からの第三者の影響を受けないジャーナリズムのための自立的なジャーナリズム・プラットフォームを目指し立ち上げられました。
シビルでは、ジャーナリストがプラットフォーム上で自らの記事を発行し、読者はそれぞれのジャーナリストに対し支援を行なう形をとっており、取引にはスマートコントラクトが適用されていました。シビル参加者は独自トークンのCVLを買うことで投票権を持ち、信頼できるニュースの評価や異議申立てができるようにもなっていました。
現在に至るまでのもシビルの道のりにも紆余曲折がありました。当初はForbesとの提携などを発表していましたが、その後シビルは2018年10月15日にICOを開始し失敗し、集めた資金をすべて返却。その後10月25日にConsenSysから500万ドルを調達しリスタートに意欲をみせ、2019年3月6日にプロジェクトをローンチしていました。
プロジェクトの思想は良いものだったので、このような形で終了してしまったことは非常に残念です。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:iStock /antoniokhr)