米アリゾナ州共和党大会はブロックチェーン基盤のモバイルアプリ「Voats(ヴォーツ)」を利用

米アリゾナ州共和党大会はブロックチェーン基盤のモバイルアプリ「Voats(ヴォーツ)」を利用

米アリゾナ州の共和党大会でブロックチェーン基盤のモバイルの投票アプリケーション「Voatz(ヴォーツ)」が導入されたことがDecryptの報道によって明らかになった。5月9日に行われた共和党大会はビジュアル・ライブストリーミングでの講演や電話などを通してコミュニケーションが行われ、投票はモバイルアプリでバーチャルな共和党大会となった。実際に累計1,100票以上の投票がiOS、Android端末から行われた。

今回Voatzが利用された背景としては、コロナウイルスのパンデミックの影響でオンラインで投票や講演のライブストリーミングを完結させる必要があったから。

Voatzは、Overstock.comの投資部門であるMedici Ventures(メディチベンチャーズ)の支援を受けていて、生体認証データと許可されたブロックチェーンを使用してユーザーのアイデンティティと投票データを保護する仕組みだ。

Voatzの共同創業者でCEOのNimit Sawhney(ニミット・ソウニー)氏は「これは私たちの民主主義にとって重要な瞬間であり、私たちは個人的に投票するための安全な代替手段を確保しなければなりません。そして私たちは、投票へのアクセスを拡大することを深く信じており、多くの有権者の健康が危険にさらされている中で、代議員の声を代表するというアリゾナ共和党の義務を支援するために、私たちの経験を活用できることを誇りに思っています」とコメントしている。

編集部のコメント

Voatzは2016年以来、60以上の公私の選挙を実施してきました。そして直近の実績としては2019年のユタ州と郡の共和党大会で、7000票以上の票を獲得しました。アメリカではVoatzに対する期待は大きいようで、ウェストバージニア州のジェニファー・ガードナー国務長官室副報道官がメディアDecryptに対して2020年の海外軍事投票でも再びVoatzを使用する予定であると語っていたようです。

しかしこの際にMITからVoatzシステムの脆弱性を指摘されました。それに対してVoatzはMITの研究の問題点を詳細に記述した投稿で批判に応え、MITのレポートを「欠陥のある報告書」と呼びました。そのような背景があり、Voatzはしばしばソースコードを共有して、透明性の高い開発体制を整えてモバイルアプリを運用してきたようです。

そして今回のアリゾナ州の共和党大会では見事成功を収めたようです。今後ますますオンラインで完結する選挙のあり方は重要になってくると思います。こういった事例が増えていき、知見や仕組みが共有されていけば、導入する国や自治体などは増えてくるのではないかと「あたらしい経済編集部」は考えています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:stockdevil,maystra,antoniokhr)

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「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

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