小田急百貨店がブロックチェーン活用のWeChat内アプリにて中国向けEC事業を開始

小田急百貨店がブロックチェーン活用のWeChat内アプリにて中国向けEC事業を開始

株式会社小田急百貨店がブロックチェーン活用のWeChat内アプリ「橙感(チェンガン)」を通じて中国向け越境EC事業を5月13日より開始することを5月8日プレスリリースにて発表した。

同アプリはEコマースおよび商品追跡履歴技術の開発を行う中国のベンチャー企業「上海橙感信息科技有限公司(Shanghai Orange Palm Information Technology Co)」によって提供されている。

同アプリではブロックチェーン技術を利用して製品の移送状況などを書き換え不可能な状態で記録・管理しているため、サイト展開全商品の追跡履歴を確認できるようになっている。この「ホンモノ保証」と呼ばれる仕組みにより、提供する製品の信用度が増すという。

この「ホンモノ保証」と小田急百貨店の信用度、さらにインバウンド客の声をふまえた商品展開等を組み合わせることで、小田急百貨店は高感度化する中国人女性の購買心理に応えるとのこと。

今回の同社の越境EC事業への参入は、チェンガンを通じた小田急百貨店の認知度向上、効果的なプロモーションの実施によるチェンガンの会員獲得等、両社相互の狙いが合致したことと、ローコストオペレーションの確立による売上高の拡大に伴い新たな収益源になり得ると判断したことなどが決め手になったという。

同事業での取り扱い商品はアクセサリー、アパレル、服飾雑貨、化粧品、リビング雑貨等を予定しているとのこと。ただし開始後数か月間はテストマーケティング期間と位置づけ、商品を一定期間で入れ替える予定とのことだ。

なお商品の決済方法は、WeChat Pay、銀聯(UnionPay)、クレジットカードなどで、配送地域は中国全土を対象としている。

編集部のコメント

データを改ざん不可能な状態で保存・更新できるブロックチェーンは、商流や物流との相性が非常に良いです。ここ数年で小売業やECにブロックチェーンを利用する事例が続々と登場しています。代表的な事例としては世界最大のスーパーマーケットチェーンWalmart(ウォルマート)やNestle(ネスレ)、Unilever(ユニリーバ)などがあり、これらの企業はサプライチェーンの追跡・監視や顧客の取引記録の管理などにブロックチェーンを導入しています。

また、EC事業では、中国第2位市場シェアを持つECサイトJD.comが昨年12月にブロックチェーン技術を導入し商品のトレーサビリティを高めることを発表しています。

コメント:小俣淳平(あたらしい経済)

(images:Aleksei_Derin,liuzishan)

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