Clearstreamが暗号資産カストディ・決済サービス開始へ
ドイツ取引所グループ(Deutsche Börse Group)傘下のクリアストリーム(Clearstream)が、同社顧客の機関投資家向けに、暗号資産(仮想通貨)の保管(カストディ)および決済サービスを提供予定であると3月11日に発表した。同サービスは今年4月より提供開始される予定だ。
発表によると、クリアストリームはドイツ取引所グループのポストトレード事業の一環として、暗号資産のカストディサービスを強化するとのこと。
またこれに伴い、同じくドイツ取引所グループに属するクリプトファイナンス(Crypto Finance)が、クリアストリームの暗号資産カストディおよび決済業務におけるサブカストディアン(下位保管機関)として機能するという。
これによりクリアストリームの顧客は、既存のクリアストリームバンキング(Clearstream Banking S.A.:CBL)アカウントを通じて、暗号資産のカストディおよび決済サービスにアクセスできるようになる。また顧客は、24時間365日稼働する取引所で行われる暗号資産取引の決済を、クリアストリームを通じて実施することも可能とのこと。
さらにクリアストリームの顧客は、国際銀行間通信協会(Swift)などの既存の金融インフラを活用できるため、新たに暗号資産サービスプロバイダーと直接契約を結ぶことや、新しいシステムを導入する必要がないという。
なお、サービスの対象となる最初の暗号資産はビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)とのこと。今後、カストディおよび決済対応が可能な暗号資産の拡充については、顧客の需要に応じて検討される予定だという。
またクリプトファイナンスは、今年1月に欧州連合(EU)の「暗号資産市場規制法(MiCA)」ライセンスを取得し、欧州全域で暗号資産サービスを提供可能となっている。なお「MiCA」とは、昨年12月30日にEU全域で全面施行された暗号資産の規制枠組みだ。
参考:クリアストリーム
画像:iStock/berya113