イングランド銀行が中央銀行のデジタル通貨の調査ロードマップを発表
イングランド銀行が「Central Bank Digital Currency、Opportunities, challenges and design」というタイトルの調査レポートを発表。
この調査レポートは、57ページにわたる。そして、主な論点はCBDCの利用機会とリスクとなっている。
イングランド銀行の総裁であるMark Carney(マーク・カーニー)氏は「ステーブルコインによって、国民が中央銀行よって発行されたリスクのない形式のお金に引き続きアクセスできるようにすることができます。これは、現金の使用が減少し、デジタル決済が進む消費者のニーズに応えられることになり、より広く使用されるようになると予測でき、今後特にCBDCは重要になる可能性があります」とコメントしている。
一方、同氏はリスク面も言及していて「リスクの面では、消費者が預金をCBDCに移動すると、市中銀行に問題が生じる可能性があります。それは市中銀行が融資を進める能力に影響を与えると考えられます。そして最終的に、CBDCは金融の安定性と中央銀行の金融政策をコントロールする能力に影響を与える可能性があります」とコメントしている。
編集部のコメント
イングランド銀行は2020年1月にカナダ銀行、日本銀行、欧州中央銀行、スウェーデンリクスバンク、スイス国立銀行の5つの中央銀行とグループを作り、潜在的なCBDCのユースケースを調査を開始したことを明らかにしました。
あたらしい経済として3つのシナリオが考えられると思います。それらは、1つが各国毎のCBDC、2つめがユニットCBDC(コンソーシアムに1つのCBDC)3つめがCBDCを発行せず、SWIFT、コルレス銀行を含め技術面をアップデートするの3つです。
そして、これに国際決済銀行(BIS)を含めた会合が4月にワシントンで行われる予定です。その会合までに、研究を主導する副総裁・理事や局長級らが4月上旬までに論点をまとめます。さらに、6月の会合で中間報告を出し、今秋をめどに最終報告をとりまとめる段取りを想定しているようです。
ただこの会合の延期有無に、新型コロナウィルスが影響する可能性があると、あたらしい経済編集部は考えます。そして、CBDCに関する議論も一部の有識者だけで議論せず、民意を汲み取る姿勢を見せ、メディアをうまく活用していってほしいと考えています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済編集部)
(images:Guzaliia-Filimonova,stockdevil)