ナイキらがRFIDを用いたブロックチェーンの実証実験の報告

ナイキらがRFIDを用いたブロックチェーンの実証実験の報告

Nike(ナイキ)、PVH Corp(トミーヒルフィガーやカルバンクラインの親会社)、Hermankay(ハーマン・ケイ)、Kohl’s(コールズ)、Macy’s(メイシーズ)がサプライチェーン内の製品を追跡するためのRFIDを使用したブロックチェーンを利用して、実証実験に関わっていることが明らかになった。

この実証実験は、アーバン大学のRFIDラボが主導しているCHIP(CHain Integration Project) Initiativeの中のProject Zipperによって、第1フェーズが2019年1月から12月まで行われてきた。

この実証実験は、RFIDシステムを使用して約642,612個のアイテムをキャプチャし、222,974個のアイテムがブロックチェーンに書き込まれたとのことだ。そして、このプロジェクトの目標は、貿易パートナーとサプライチェーンの参加者が標準情報を表示し、エンドツーエンドの可視性を提供できるようにすることのようだ。

アーバン大学のRFIDラボは、ブロックチェーンソリューションはエンタープライズブロックチェーンHyperledger Fabricを使用して構築されていて、アパレル企業は、偽造品、海賊版、さらには盗難の絶え間ない脅威に直面しているので、ブロックチェーンは、サプライチェーンの透明性を潜在的に改善し、製品の動きの監査可能な証跡を提供する可能性があり、研究を進めているとのこと。

編集部のコメント

この実証実験に参加した企業で、日本に馴染みが少ないであろう企業を簡潔に紹介させてもらいます。
Hermankay(ハーマン・ケイ)は、ニューヨークに拠点を置くアウターウェアとアパレルの会社。75年以上にわたって継続的に活動しています。
Kohl’s(コールズ)、Kohl’s Corporationが運営するアメリカの百貨店小売チェーンです。アメリカで最大のデパートチェーンです。
Macy’s(メイシーズ)は、1858年に創業された老舗のアメリカの百貨店です。ニューヨークに本部があります。ただ、2017年春には全15万8000人の従業員の内、管理職クラスが6200人、店舗運営に携わる従業員を3900人のリストラを行うと共に、63店舗を閉店してきています。

そして、RFIDについても説明します。RFIDは、radio frequency identifierの略で、ID情報を埋め込んだRFタグと特定の電磁界や電波などを通して、無線通信し、情報の送受信を行うことです。今回の実証実験の場合、各企業の製品の製造過程(製造日、製造工場など)をRFタグに書き込んでおき、ブロックチェーン上で、特定の処理が行われ、RFIDが機能し、Hyperledger上でデータの遷移が行われる仕様となっています。そのようにして、正しく流通し、百貨店などの売り手と消費者が商品の整合性を確認できる仕様となっています。

コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)

(images:LuckyStep48)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した