イーロンマスクがドージコイン(DOGE)を不正操作したとする訴訟が終了
イーロン・マスク(Elon Musk)氏がドージコイン:Dogecoin(DOGE)を不正操作したとして告訴された件について、終了することになった。
暗号資産(仮想通貨)に投資していた原告たちは、世界一の富豪であるマスク氏と同氏の電気自動車企業テスラ(Tesla)が詐欺およびインサイダー取引を行ったと主張していたが、同件が2023年8月29日に却下されたことに対する控訴を取り下げた。
また原告らは、マスク氏の弁護士が控訴手続きに干渉したとして、高額の法廷費用の支払いを要求したが、これに関する同弁護士への制裁を求める申し立ても取り下げた。
一方、マスク氏とテスラは、投資家側の弁護士が「不当な訴訟」を追求し、法的理論を次々と変更して「迅速な手当てを強要する」意図があるとして、投資家側の弁護士に対する制裁を求めていたが、これに関する申し立ても取り下げた。
この控訴と双方の申し立てを棄却する合意書は、11月14日の夜にマンハッタンの連邦裁判所に提出された。この申し立てには、米連邦地方裁判所のアルヴィン・ヘラーシュタイン(Alvin Hellerstein)判事の承認が必要となる。
投資家側およびマスク氏側の弁護士は、15日の時点でコメントの要求に対して直ちに応じなかった。
投資家たちは、マスク氏がツイッター(Twitter:現X)の投稿、NBCの「サタデー・ナイト・ライブ(Saturday Night Live)」出演、その他のパフォーマンスを利用して、ドージコインの取引を彼らの損失を伴って行ったと主張した。特に、その取引はマスク氏の公の発言や活動に合わせて行われたとしている。
8月29日の棄却判決においてヘラースタイン判事は、合理的な投資家がマスク氏のツイートに基づいて証券詐欺を証明することはできないと述べた。例えば、マスク氏による「ドージコインは地球の未来の通貨であり、彼の会社スペースX(SpaceX)で月に送れる」といった内容のツイートに関してである。
また同判事は、投資家側の市場操作およびインサイダー取引に関する主張についても理解できなかったと述べた。
投資家らは当初2,580億ドルの賠償を求め、2年間で4回も訴状を修正していた。
マスク氏は2022年にツイッターを買収し、Xと改名した。
11月12日、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が大統領選出時にマスク氏およびバイオテクノロジー企業の創業者であるヴィヴェク・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy)氏を、新たに設立する政府効率化省(Department of Government Efficiency)の責任者に指名した。この省の略称はDOGE省であり、ドージコインの名前を連想させるものである。
この訴訟は、Gorog et al v. Musk et al、米国地方裁判所、ニューヨーク南部地区、第22-05037号だ。
※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Lawsuit claiming Elon Musk rigged dogecoin ends
(Reporting by Jonathan Stempel in New York; editing by Jonathan Oatis)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters