香港初の規制準拠ステーブルコイン「HKDR」、RDイノテックがイーサリアム上で発行へ

香港ドル連動ステーブルコインHKDR発行へ

香港で初となる規制に準拠したステーブルコイン「HKDR」の発行予定を、発行元のRDイノテック(RD InnoTech)が10月28日発表した。

「HKDR」は、香港ドル(HKD)に1:1で裏付けられたステーブルコイン。クロスボーダー取引やeコマース、グローバルな給与管理などにおいて、仲介業者を介さずに迅速かつ低コストに国内外の決済が可能であるという。「HKDR」は認可された金融機関の分別保管口座に保管されるという。また「HKDR」の準備金の詳細については、第三者の証明報告によって定期的に公開される予定とのこと。

発表によると、RDイノテックは「HKDR」をイーサリアム(Ethereum)上で展開する予定とのこと。また、香港の暗号資産(仮想通貨)取引所であるハッシュキーエクスチェンジ(HashKey Exchange)と提携し、同取引所における「HKDR」の上場を計画しているようだ。なおハッシュキーエクスチェンジは、個人投資家向けの暗号資産取引所として香港で初めて認可を受けた取引所である。

なおRDイノテックは「HKDR」の発行に向けて、今年7月18日に香港金融管理局(HKMA)が主導する「ステーブルコイン発行者サンドボックス」の参加企業リストに登録されている。今後同社は、Web3事業者および決済事業者と協力し、B2Bクロスボーダー決済や暗号資産取引、グローバルな給与管理、現実世界の資産(RWA)のトークン化などにおける「HKDR」の用途を共同で検討していくとのこと。

「ステーブルコイン発行者サンドボックス」は、HKMAが今年3月に持続可能かつ責任あるステーブルコインエコシステムの発展を促進する為に開始したプログラムである。同サンドボックスにはRDイノテックの他に、アニモカブランズ(Animoca Brands)やスタンダードチャータード銀行香港(Standard Chartered Bank Hong Kong:SCBHK)などの企業も参加している。

ちなみにRDイノテックの親会社RDテクノロジーズ(RD Technologies)は今年5月に、「HKDR」をブロックチェーンデータプロバイダー「チェーンリンク(Chainlink)」が提供する、データフィード及びクロスチェーン相互運用プロトコル「CCIP(Cross-Chain Interoperability Protocol)」と統合予定であることを発表している。

なお「CCIP」とは、パブリックブロックチェーンとプライベートブロックチェーンの両方にわたってアプリケーションをリンクするように設計されたクロスチェーン相互運用プロトコルだ。同プロトコルは今年4月より正式に一般提供が開始されている。

開発者は、任意メッセージングを使用して「CCIP」上に独自のクロスチェーンソリューションを構築できるだけでなく、「CCIP」は簡素化されたトークン転送も提供するという。これにより、プロトコルは制御する監査済みのトークンプールコントラクトを使用して、記述することなくチェーン間でトークンの転送を迅速に開始できるとのことだ。

参考:RDイノテック
画像:iStocks/Who_I_am

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一本寿和

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。

「あたらしい経済」編集部
記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。
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