台湾FSCが新たなマネロン防止規制を起草、プロ投資家限定で海外の暗号資産ETF投資許可も

VASPにマネロン防止登録義務付け

台湾の金融監督管理委員会(FSC)が、暗号資産(仮想資産)サービスプロバイダー(VASP)を対象にマネーロンダリング防止(AML)登録を義務付ける関連規制の草案を作成したと10月1日発表した。

規則案は、近日中に公示または意見募集のために公表される予定だという。

台湾では現在、2021年7月に導入されたFSCの規則に基づき、VASPにAML法の順守が義務付けられている。しかし、今回発表されたVASP登録制度が施行された後には、現行の法令遵守宣言制度がこれに置き換わる。

FSCは声明にて、プロバイダーが既存のコンプライアンス宣言を完了しているかどうかに関わらず、「すべてのプロバイダーは新しいVASP登録規則に従い、登録プロセスを完了しなければならない」と明言している。

同規制は2025年1月1日に発効となる予定で、VASPは、登録制度が施行されてから3か月以内に管轄当局に登録を済ませ、9月末までにAML登録を完了させなければならないとのことだ。

再委託方式で海外暗号資産ETF投資を許可

またFSCは9月30日、プロ投資家に対し、再委託方式を通じて外国の暗号資産を基にした上場投資信託(ETF)へのアクセスを解禁した。

再委託方式では、プロ投資家が台湾の証券会社に海外の暗号資産ETFの購入を依頼し、証券会社がこれを海外の金融機関に再委託する。つまり実際にETFを購入し管理を行うのは海外の金融機関であり、台湾の証券会社は顧客に海外の暗号資産資産ETFへの投資機会を提供できる方式となる。

なおプロ投資家には、機関投資家、富裕層投資法人、富裕層個人、プロ投資家に属する法人またはファンド、個人が含まれる。

また商品を提供する証券会社は、購入前の時点で顧客が暗号資産や関連商品の投資に関する専門知識を有しているかや一定の投資経験があるかを評価し、適合性を判断する必要がある。なおプロ投資家ではない顧客に対しては、購入前に暗号資産ETFや関連商品に関する情報提供やリスク警告文への署名を求めることが義務付けられている。

さらに、証券会社には従業員向けに暗号資産関連の定期的な教育訓練を行うなど、リスク管理体制の整備も義務付けられる。FSCは、投資家保護と証券会社の競争力向上を目的に、この新制度の実施状況を監視し、関連規定を継続的に改善していくと伝えている。

参考:FSC発表(10月1日)発表(9月30日)
画像:Reuters

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