カストディ大手BitGo、独自ステーブルコイン「USDS」を来年1月に発行へ

BitGoが独自ステーブルコイン発行へ

暗号資産(仮想通貨)などデジタル資産のカストディサービスを提供するビットゴー(BitGo)が、独自ステーブルコイン「USDS」の発行予定を9月18日発表した。発行開始は2025年1月を予定しているとのこと。

発表によると「USDS」は、米ドルの価格と1:1の割合で発行されるステーブルコイン。現金や短期国債、翌日物(オーバーナイト)レポによって、その価値は完全に裏付けられているという。

対象ユーザーは世界中の機関と個人とのこと。集中型および分散型のアプリにて利用できると説明されている。ユーザーは米ドル(USD)、USDC、USDTにて「USDS」のミント(発行/鋳造)が可能だ。また「USDS」をバーン(焼却)することでUSD、USDC、USDTに償還も可能であるという。ミントおよびバーンの費用はかからず、ビットゴーが手数料を負担するとのこと。

また「USDS」は、日々の裏付け残高をユーザーが確認できるよう、専用サイトにてリアルタイムでの準備金証明を公開するという。さらに「USDS」は会計事務所による月次監査を実施し、その結果も公開するとしている。

なお「USDS」発行元は、ビットゴーの関連会社であるビットゴー・ニューヨーク・トラスト・カンパニー(BitGo New York Trust Company)とのこと。同社は米ニューヨーク州の法律に基づいて2021年に設立された規制対象の信託会社である。

またビットゴーは「USDC」について「金融の自由を再定義する初のオープン参加型ステーブルコイン」と表現している。

ビットゴーによると「USDS」は、流動性を提供することでユーザーが報酬を得られる仕組みであるという。多くのステーブルコインでは、発行者が準備金からの利息収入を利益として得ている。しかしビットゴーは「USDC」の準備金からの利息収入98%を、エコシステムに貢献する適格機関、流動性プロバイダー、ユーザー等へ報酬として割り当てるとのこと。

報酬については毎月支払われるという。その額は各対象者が保管する「USDS」に基づいて、それぞれに異なる報酬階層を設定するという。全体の報酬額については、参加者が獲得した分配収益シェア(DRS)に基づいて決定されるとのこと。DRSは、「USDS」によって生成された総収益からビットゴーの月間管理手数料を差し引いた金額にて計算されるとのことだ。

参考:ビットゴー
画像:iStock/Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
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