Polygon LabsとFabric Cryptographyが連携、ZK特化チップ「VPU」開発へ

Polygon LabsとFabric CryptographyがZK特化のチップ開発へ

パブリックブロックチェーンのポリゴン(Polygon)を開発する「ポリゴンラボ(Polygon Labs)」が、ハードウェア開発会社の「ファブリック(Fabric)」と連携し、ゼロ知識証明(zkp:zero knowledge proof:zkp)を活用した暗号化に特化したチップ「VPU(Verifiable Processing Units)」の開発を9月10日に発表した。

ポリゴンラボによると、ゼロ知識証明技術を実用化するためには証明の生成を効率化する必要があるものの、証明を生成するソフトウェアの性能はハードウェアの性能に依存するという。

これまで使用されてきた証明技術である「Plonky2」は、コンシューマー向けのハードウェアで動作するように最適化されていた。しかし今後は、より高速な証明技術として先日リリースされた「Plonky3」が実用化される際には、より高性能なハードウェアが必要になるとのことだ。

なおすでに、今回の連携の一環としてアグレイヤー(AggLayer)の証明生成を加速することを目的に「VPU」を用いたサーバーに対して500万ドルの投資を行うと発表されている。

「VPU」は、ビットコインにおけるASICのような専用のハードウェアの利点と、GPU(Graphics Processing Unit)の利点を融合したようなハードウェアだという。これによりASICのような固定されたハードウェア設計では対応できない、ゼロ知識証明技術の成長速度に対応できる汎用性の高いプロセッサとして機能するとのこと。

また発表によるとポリゴンラボは、今後6から12ヶ月以内に「VPU」上でPlonky2およびPlonky3のベータプロトタイプを提供することを目指しているという。これによりアグレイヤーの証明生成が高速化され、リアルタイムのゼロ知識証明アプリケーションの可能性が広がると考えられている。

アグレイヤーはゼロ知識証明(zero-knowledge proof:zkp)の使用により、同プロトコルへ接続したL1チェーンやL2チェーンを単一のブロックチェーンを操作しているように感じられるほどシームレスに接続するプロトコルだ。ポリゴンラボは同機能をブロックチェーンのTCP/IPと説明している。

参考:ポリゴンラボブログ
画像:iStocks/LuckyStep48

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
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