イーサL2で初、Starknetがトランザクションの並列実行を導入

イーサL2「Starknet」がアップグレード実施

イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「スタークネット(Starknet)」が、バージョン0.13.2アップグレードを8月29日に実施した。

「スタークネット」によると、バージョン0.13.2では「並列実行」および「ブロックパッキング」の実装が主な変更であるとのことだ。なおこれらはネットワークの処理能力を向上させ、1秒あたりのトランザクション量「TPS」を大きく引き上げるという。

「並列実行」は、複数のトランザクションを同時に処理可能にすることで、効率的なトランザクション処理を可能にするというものだ。今まで「スタークネット」ではトランザクションの処理を1つずつ順番に処理していた。

トランザクションの並列処理は、ソラナブロックチェーンが実装し高速処理を実現したことを皮切りに、最近では多くのブロックチェーンが採用を進めている。

しかし「並列実行」は簡単に実装できる訳ではなく、イーサリアム(Ethereum)を含めた多くのブロックチェーンは実装しておらず、独自に実装する必要があるため実装に苦労しているブロックチェーンも少なくない。そんな中「スタークネット」は、イーサリアムのL2で初めて「並列実行」を実装したブロックチェーンとなった。

また「並列実行」と同時に実装された「ブロックパッキング」は、トランザクションをブロックに取り込む効率を上げることで空きスペースを減らしコストの削減とトランザクションの処理速度を上げるための新機能だ。

発表によるとこれらの実装により、同ブロックチェーンのTPS(1秒当たりのトランザクション処理件数を指す単位)は、テストネットでのテスト段階で約80から250以上に向上し、ほとんどのトランザクションが2秒以内に処理されるようになったとのことだ。

「スタークネット」は先日、ガバナンストークンである「STRK」トークン保有者に向けた最初のガバナンス投票の実施を発表した。同ガバナンス投票が可決されれば、スタークネット上で「STRK」トークンのステーキングが可能になるとのことだ。

参考:スタークネットブログ
画像:iStock/dalebor

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

和歌山大学システム工学部所属
格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。
SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【9/19話題】グーグルクラウドの新RPCサービス「Blockchain RPC」、BitGoが独自ステーブルコイン「USDS」など(音声ニュース)

グーグルクラウド、新RPCサービス「Blockchain RPC」開始、カストディ大手BitGo、独自ステーブルコイン「USDS」を来年1月に発行へ、英レボリュート、独自ステーブルコイン発行を計画中か=報道、サークルの米ドルステーブルコイン「USDC」、ブラジルとメキシコの法定通貨から直接利用可能に、コインベースにZetachain(ZETACHAIN)とAleo(ALEO)上場へ、TON財団とカーブファイナンスが提携、TON基盤のステーブルコインスワップ開始、ブラックロック、ビットコインを「ユニークな分散投資」の資産として概説するレポート公開、テザー社、2024年Q2の監査情報を開示。1184億ドルの準備金を保有

Sponsored

ビットコインL2「スタックス(STX)」がアプトス(APT)と統合、BTC導入に向け

スマートコントラクト導入のビットコイン(BTC)レイヤー2ネットワーク「スタックス(Stacks)」が、レイヤー1ブロックチェーン「アプトス(Aptos)」と統合し、「アプトス」上でのBTC導入を計画している。両プロジェクトが暗号資産メディア「ディクリプト(Decrypt)」の報道を引用する形で9月17日発表した

ブラックロック、ビットコインを「ユニークな分散投資」の資産として概説するレポート公開

米資産運用会社ブラックロック(BlackRock)のアナリストらは、ビットコイン(BTC)をマクロ要因の影響を最小限に抑えた資産とし、同暗号資産が財政、金融、地政学的リスク要因のいくつかに対して「ユニークな分散投資」の資産である理由を概説するレポート「Bitcoin : A Unique Diversifier」を9月18日に共有した

【9/18話題】プログマらの「ステーブルコイン決済プロダクト」が実運用向け開発へ、トランプのDeFiトークン「WLFI」販売計画など(音声ニュース)

プログマとデータチェーン、「ステーブルコイン決済プロダクト」を実運用向け開発フェーズに移行、サークル「USDC」、Suiにネイティブ対応へ、トランプ一族のDeFiプロジェクト、独自トークン「WLFI」販売計画が明らかに、親クリプト派議員マクヘンリーとエマー、エアドロップに対するSECの姿勢問う書簡をゲンスラー委員長に送る、豪中銀、CBDCはホールセール向け優先と決定、ブータン政府、1000億円超のビットコイン保有か=アーカム、イーサリアム次期大型アップグレード「Pectra」、2分割での実施を検討、分散型デリバティブ「ベガプロトコル」がベガチェーンとVEGAトークンのサポート終了へ

Sponsored