暗号資産には言及せず
ハリス氏が率いる米民主党の公約に、暗号資産(仮想通貨)関連の項目はないようだ。
米民主党の全国党大会が8月19日より始まり、米イリノイ州シカゴにて4日間の日程で行われる。全国党大会前日の18日、民主党は党の政策綱領を採択した。なおこれは事実上の公約となるものだ。
綱領では貧困層・低所得者層の底上げや中間層への支援による経済成長、人工妊娠中絶の権利を擁護する姿勢などが示された。
その他にも、中東情勢におけるイスラエルの安全保障に対するゆるぎない米国の立場等に触れられたが、暗号資産に関する言及はなかった。
また海外メディアによれば、同綱領はバイデン氏の撤退表明以前の7月16日にまとめられ、承認されていたものだという。実際綱領では「バイデン大統領の二期目には~」といった表現もみられる。
バイデン氏に代わり米大統領選の民主党候補となったカマラ・ハリス(Kamala Harr6is)副大統領は、これまで暗号資産に関する姿勢を明確に示してはいない。
しかしハリス陣営にも暗号資産関連の動きはある。
億万長者でビットコイン支持者としても知られるマーク・キューバン(Mark Cuban)氏は7月、ハリス陣営から暗号資産関連の複数の質問を受けたと、暗号資産メディアのディクリプト(Decrypto)に明かしている。
14日夜にはハリス氏を支援する暗号資産擁護団体「Crypto4Harris(クリプト・フォー・ハリス)」が初のオンライン集会を開催。ハリス氏の選挙活動を支援する方法について議論したほか、バイデン政権による暗号資産業界の取り締まりを終わらせるよう求めた。
同団体には米実業家マーク・キューバン(Mark Cuban)氏、米投資会社スカイブリッジ・キャピタル(Skybridge Capital)創設者のアンソニー・スカラムーチ(Anthony Scaramucci)氏、アダム・シフ(Adam Schiff)民主党下院議員らが参加している。なおスカラムーチ氏は、2017年にホワイトハウスの広報部長を正式就任する前に、当時のトランプ大統領によってその職を解かれた人物。2005年にスカイブリッジ・キャピタルを設立している。
また19日にワシントン・リポーター紙が報じたところによると、ハリス氏が大統領に選ばれた場合、米証券取引委員会(SEC)のゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長が財務長官に指名される可能性が高いという。しかしこの報道は複数の上院幹部スタッフ及び共和党のトップがオフレコで語った内容として報じられており、真偽のほどは不明だ。
一方、今回の選挙戦で暗号資産に友好的な姿勢を見せるトランプ氏は、先日行われたビットコインカンファレンス「Bitcoin 2024」にて、自身が大統領に選ばれたら就任初日にSEC現委員長を解雇すると公言し、会場を沸かせていた。
最近の世論調査ではややハリス氏に有利な結果が出ているが、分散型予測市場「ポリマーケット(Polymarket)」では、ここ数日トランプ氏勝利のオッズが44%から49%に急上昇しており、54%から50%に急落したハリス氏に迫っている(記事執筆時点2024年8月20日11:20での数値)。