メッサリ共同創業者ライアン・セルキス、政治的発言でCEO退く

過熱する米大統領選。バイデン撤退も

世界最大手のWeb3リサーチ企業メッサリ(Messari)の共同創設者であるライアン・セルキス(Ryan Selkis)氏が、自身の過激な政治的発言を理由に、CEOの職を辞任した。同氏が自身のXより7月19日に発表した。

セルキス氏は自身のXにて、「今週はこの6年半で初めて、私の政治的発言や暴言がチームに危害を及ぼした週だったため、CEOを退く」と報告。また、後任には同社最高収益責任者であるエリック・ターン(Eric Turn)氏が就任すると同氏は述べている。

またセルキス氏は、辞任前に同社経営陣らと話し合あったことも報告。「メッサリ首脳陣と素晴らしい 『愛の鞭』セッションを行ったばかりだが、誠意を持って私に近づき、私のビジョンと心のありようを理解しているからこそ、私を抑制する手助けをしてくれる人々にどれだけ感謝していることか。今週は熱くなりすぎてしまった」と述べている。

セルキス氏は、7月13日に米ペンシルベニア州バトラーで起きた現共和党大統領候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏の暗殺未遂事件を受けて、過激なポストを繰り返した。

具体的には、「現時点でトランプに反対票を投じるやつは火の中でくたばればいい。文字通りの戦争だ」というものや「この国の南北戦争は今日始まった。もしあなたが反トランプなら、闘う意志のある男たちに反対することになる。幸運を祈る」といったポストであった。

同氏はそれらポストを削除し、Xアカウントを非公開にしたが、ソフトウエアエンジニアで暗号資産のリサーチャーであるモリー・ホワイト(Molly White)氏がセルキス氏の発言のスクリーンショットをポスト。セルキス氏は同ポストに対し、「先週末は怒ってしまってごめんなさい。私はトランプ大統領と彼の犠牲を愛するに十分なほどトランプ大統領を見てきた。10年間の憎しみの結果、彼の命が奪われそうになったのを目の当たりにした後、私は事を大きくしすぎた。私たちは、人格、強さ、そして非暴力によって勝利するだろう。悪く思わないでくれ、モリー」と述べていた。

なおセルキス氏はCEO辞任後も自身の政治的思想に関するポストを続けている。

11月の選挙へ向け米選挙戦は盛り上がりを見せている。7月22日には民主党候補の米国現大統領ジョー・バイデン(Joe Biden)氏が2024年大統領選から撤退する意思を表明。バイデン氏は「再選を目指す意向だったが、私が身を引き、残りの任期に大統領として職務を全うすることに専念することが党と国にとって最大の利益であると信じる」とXにて報告。カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領を民主党の大統領候補として支持することを表明している。

関連ニュース

image:iStock/Rawpixel・putilich

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した