北朝鮮ハッカー集団、盗んだ暗号資産をカンボジア決済会社通じ洗浄

ラザルスが盗んだ暗号資産をカンボジア決済会社通じ洗浄

北朝鮮のハッカー集団「ラザルス(Lazarus)」が使用するデジタルウォレットから、15万ドルを超える暗号資産(仮想通貨)がカンボジアの大手決済会社に送られていたことがブロックチェーンデータで分かった。同集団が東南アジアで資金洗浄してきた仕組みの一端が明らかになった。

ロイターが調べたデータによると、暗号資産を受け取ったのはプノンペンに拠点を置き、通貨両替や決済、送金サービスを提供するフイワンペイ(Huione Pay)で、期間は昨年6月から今年2月。匿名のデジタルウォレットから同社に送られた。

ブロックチェーンアナリスト2人によると、このウォレットはラザルスが昨年6、7月に暗号資産企業3社から盗んだ資金を預けるために使用していたという。

米連邦捜査局(FBI)は昨年8月、ラザルスがエストニアなどを拠点とする暗号資産企業3社から約1億6,000万ドル相当の暗号資産を盗んだと発表した。米政府はラザルスのハッカー攻撃が北朝鮮の兵器開発の資金源になっているとしている。

Huione Payの取締役会は、同社がハッキングから「間接的に資金を受け取った」とは知らなかったとし、自社のウォレットとハッキング元との間に複数の取引が介在していたことが理由だと説明。資金を送ったウォレットは自社の管理下になかったと述べた。資金を受け取った理由は明らかにしなかった。

同社取締役の1人であるフン・トー(Hun To)氏は、カンボジアの首相であるフン・マネット(Hun Manet)氏のいとこにあたる。同社によると、フン・トー氏の取締役としての職務には日常的な監督業務は含まれない。

ロイターはフン・トー氏もしくはフン一族が暗号資産取引を把握していたという証拠は得ていない。

関連ニュース

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
北朝鮮ハッカー集団、盗難仮想通貨をカンボジア決済会社通じ洗浄
※本記事のタイトルと見出しの表現に誤りがありましたので、修正しました(2024/7/16 16:55)。

images:iStocks/natasaadzic

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。

これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した