米SEC、破産したテラフォームラボと44.7億ドルで民事和解

米SECがテラフォームラボと44.7億ドルで和解

2022年に暗号資産(仮想通貨)「テラ:Terra(LUNA:ルナ)」と「テラUSD:TerraUSD(UST)」が暴落した際に推定400億ドルの損失を被った投資家を欺いたとして、陪審員から責任を問われていたテラフォーム・ラボ(Terraform Labs)が、米証券取引委員会(SEC)と44億7,000万ドルの民事和解に達した。

テラフォームとその創業者であるド・クオン(Do Kwon)氏に対する最終判決案が、6月12日にマンハッタン連邦裁判所へ提出された。この最終判決には、4月5日に終了した裁判を監督したジェド・ラコフ(Jed Rakoff)米地方判事の承認が必要だ。

テラフォームの判決には、40億5000万ドルの不当利得返還と利息、および4億2000万ドルの民事罰金が含まれている。

テラフォームは今年1月に破産を申請したため、その多くが支払われる見込みはない。その代わり、テラフォームが清算を進めている連邦破産法第11条(チャプター11)の適用において、無担保債権として扱われることになる。

なお判決総額は45億5000万ドルで、クォン氏に対する8000万ドルの民事罰金を含む。同氏は暗号資産取引の禁止に同意し、テラフォームの破産財団に2億430万ドルを移管する必要がある。

SECは裁判所への提出書類の中で、「この判決を下すことで、被害を受けた投資家への資金の最大限の返還が保証され、テラフォームは永久に廃業することになる。したがって、この判決案は公正かつ合理的であり、公共の利益に適うものである」と述べている。

テラフォームとクォン氏は判決に同意した。両氏の弁護士にコメントを求めたが、すぐには応じなかった。

SECは、テラフォームとクォン氏が、1ドルの価格を一定に保つように設計した「テラUSD」の安定性について投資家を欺き、テラフォームのブロックチェーンが韓国で人気のモバイル決済アプリで使用されていると虚偽の主張をしたと非難した。

「テラUSD」と密接に関連した、同じくクォン氏が設計したより伝統的なトークンである「テラ(Luna)」は、「テラUSD」がドルとのペッグを維持できなくなった2022年5月に崩壊した。

クォン氏は2023年3月からモンテネグロで拘留されており、米国と韓国は刑事訴追のため同氏の引き渡しを求めている。そのため同氏は裁判には出席していない。ただし同氏は不正行為を否認している。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
SEC reaches $4.47 billion settlement with now-bankrupt crypto firm Terraform Labs
(Reporting by Niket Nishant in Bengaluru and Jonathan Stempel in New York; Editing by Anil D’Silva and Chizu Nomiyama)

翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

「あたらしい経済」編集部
記者・編集者
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