フレセッツが日本企業初となるMPCアライアンスへ加盟
フレセッツ株式会社が、MPCアライアンスに加盟したことを1月21日プレスリリースにて発表。
なお同アライアンスへの加盟は、同社が日本企業として初となる。
MPCアライアンスには、イスラエルのセキュリティ企業Unbound Techや中国のアリババグループを初めとして様々な業界からアカデミックなバックグラウンドを持つ技術企業が参加しており、セキュアマルチパーティ計算(別称:MPC; Multi-Party Computation、秘匿計算、秘密計算など)の研究と普及を目的に、2019年11月に設立されている。
またMPCとは、複数の主体が暗号化されたデータを持ち寄った場合に、個々のデータセットを復号することなく、最終的な計算結果が得られることを可能とする暗号技術とのこと。
MPCが持つ特性を利用することで、競合する企業間でデータを共有する、病歴など機微な個人情報を収集して研究に活用するといった高い秘匿性が求められるケースにおいて、より柔軟にデータを活用することが可能となるとのこと。
フレセッツは、MPCアライアンスでの活動を通じて得た知見を同社主要製品である、Fressets EWM System®やその他の研究開発に活かしていくとのことだった。
編集部のコメント
フレセッツ株式会社は今回の暗号技術の他、10日にも仮想通貨におけるセキュリティについてリリースを行っています。内容はフレセッツが提供する事業者向け仮想通貨ウォレット管理システム「EWM System®」において、秘密鍵をHSMで管理できるアップデートを実施したことを発表していました。
HSMは鍵を保管するためのハードウェアのことで、より強固なセキュリティで秘密鍵を守ることが可能になります。HSMの利用は、金融機関の鍵管理において必須のコンプライアンス要件となっていますが、仮想通貨業界ではHSMにほぼ対応している事業者が少ないということでした。
コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)
(images:Igor-Korchak)