OECD(経済協力開発機構)がLibraメンバーを含めた92のブロックチェーン組織「BEPAB」を設立
Organisation for Economic Cooperation and Development (OECD/経済協力開発機構) が Blockchain Expert Policy Advisory Board (BEPAB)を設立したことが明らかになった。
BEPABの設立目的は、OECDが各国に対して、ブロックチェーン領域の営みに適切なアドバイスを提供すること。具体的には、BEPABが政府やその他の利害関係者がどのようにリスクを軽減しながら利益を得ることができるかを検討し、調査レポートなどを提供していく。
オランダ中央銀行の金融部門トップで、OECDの金融委員会の委員長を務めるエルト・ホーベン(Aerdt Houben)氏は「BEPABの参加メンバーは、私たちが数えたところ92でありました。主にブロックチェーン業界のプレーヤーで構成されています。これは、アクセンチュア、IBM、R3、ConsenSysの代表者を含む多くの有名な企業の人たちと、知名度の低い人たちも含めていることを特徴としています。そして、Libraに関わる企業やCalibraも関与しています」とコメントしている。
OECDのデジタル経済政策委員会の次期議長である飯田洋一氏は「OECDは、国際的な地位のために果たすべき重要な役割があると考えています。 ブロックチェーン、その中でも特に最も許可のない形式であるパブリックブロックチェーンでは、ボーダーレスなことが特徴です」とコメントしている。
編集部のコメント
BEPAB設立の旗振りを行なったであろうオランダ中央銀行のトップで、エルト・ホーベン氏は、ブロックチェーン技術に精通し、リサーチを深めている人物だと思います。2018年に日本銀行が翻訳をしている「中央銀行デジタル通貨」のドキュメント作成に携わっていたりします。
中央銀行デジタル通貨:https://www.boj.or.jp/announcements/release_2018/data/rel180315a.pdf
OECD(経済協力開発機構)がBEPABを設立したニュースのポイントは、巻き込める人や企業の種類と数が非常に多く、92の団体を巻き込めたという事実です。
本来であれば、LibraやCalibraと言ったアメリカで疑問視されている企業を巻き込むことは難しいでしょう。ところが、OECDは、世界経済をフラットな立場から監督できるので、これが実現できます。OECDのリーダーシップに期待しながら、多くの人がブロックチェーンの理解を進め、リスクを回避しながら、コスト削減できる意思決定をして欲しいと、あたらしい経済編集部は思います。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
(images:LuckyStep48)