国連が北朝鮮暗号資産カンファレンス参加を警告

国連が北朝鮮暗号資産カンファレンス参加を警告

国連制裁担当者が、2月開催予定の北朝鮮暗号資産カンファレンスへの参加は制裁違反であると警告していることが、ロイターの報道で明らかになった。

同警告については、今月後半に国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会に提出される報告書のなかで言及されているとのこと。

ロイターが確認をした同報告書の内容には、同カンファレンスでは暗号資産による制裁回避とマネーロンダリングについての議論がおこなわれることが伝えられている。

同報告書で制裁担当者は「報道関係者はカンファレンスへの参加が認めれていないため、その内容も公になっていないが、1人のアメリカ人の起訴内容から、カンファレンスの本来の目的は明らかだ」と説明。

昨年4月に開催された第一回目の同カンファレンスに出席し、米連邦捜査局(FBI)に国際緊急経済権限法に違反をしたとして逮捕・起訴されているイーサリアム財団コアリサーチャーのVirgil Griffith(ヴァージル・グリフィス)氏が、同カンファレンスで行われた議論の内容を検察に対し証言をしている。

英政府担当者は「北朝鮮への暗号通貨・ブロックチェーン技術利用の支援は、制裁を逃れて、北朝鮮の武器開発計画の収益を生みだす能力を増大させるため、国連決議に違反するリスクがある」と匿名を条件にロイターへコメントをしている。

なお同カンファレンスの開催は第2回目となり、2月22日から29日の期間で行われる予定となっている。

編集部のコメント

Virgil Griffith氏は、イーサリアムの考案者であるVitalik Buterin氏と共にEthereum2.0の基礎となるPoSアルゴリズム「Casper」を提案し、イーサリアムの開発に関してコアな部分に関わる人物でした。昨年Virgil Griffith氏が逮捕・起訴のニュースが出た際には、業界内外に大きな波紋を呼びました。
ちなみに米国でVirgil Griffith氏が違反したとされる「国際緊急経済権限法(IEEPA)」は、安全保障・外交政策・経済に対する異例かつ重大な脅威に対し、非常事態宣言後、経済制裁もって対処するための法律で、1977年10月28日よりアメリカ合衆国にて施行されました。北朝鮮は2008年から国際緊急経済権限法の適用国となっています。

 

コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)

(images:Igor-Korchak,clearviewstock)

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