広がる波紋、金融庁が暗号資産証拠金取引のレバレッジを2倍までとする方針
金融庁が暗号資産(仮想通貨)の証拠金取引の倍率(レバレッジ)を2倍までとする方針を固めたことが1月10日に日経新聞によって報じられた。
同案は月内にも意見公募にかけ、2020年春に施行となる改正金融商品取引法の内閣府令で定められる見込み。
レバレッジ上限の規制は、消費者保護の観点から過度な投機や価格の乱高下による投資家の損失リスクを抑えるのが狙いと読み取れる。
仮想通貨(暗号資産)のレバレッジ上限については、これまで「JVCEA(一般社団法人日本仮想通貨交換業協会)」が、仮想通貨のレバレッジ上限を15倍から4倍に引き下げる自主規制ルールを定め、国内取引所はそのルールの採用を進めてきた。
その4倍という上限についても当時から様々な意見が出ていたが、今回2倍の方針という報道は業界内外に大きな波紋を呼んでいる。
編集部のコメント
仮想通貨業界の有識者や投資家などからは、レバレッジ率が下がれば投資家がレバレッジ率の高い海外サービスに逃げることに対する懸念や、日本国内の仮想通貨取引所の運営自体が難しくなるのではないかという意見も飛び交っています。また外国為替FXの個人取引の現状25倍という上限に比べても、2倍というのはあまりにも厳しいのではないかという意見も出ています。
この報道に関して仮想通貨メディア「CoinPost」の各務貴仁編集長は以下のようにツイートし、パブリックコメントなどを求めるアクション促すしていく姿勢を示しています 。
ついにレバレッジ2倍の方針が、金融庁から示されました。
— 各務貴仁|CoinPost編集長 (@coinpost_kagami) January 10, 2020
投資家保護の仕組みが不十分な海外の取引所へユーザーが流出する方針に、大変残念に思います。
本格的に、取引所の統合事例なども出てくるかもしれません。
本件については、継続して業界関係者に取材を行なって参ります。 https://t.co/YjReY7Jvpt
仮想通貨取引の証拠金2倍について、確定したわけではございません。
— 各務貴仁|CoinPost編集長 (@coinpost_kagami) January 10, 2020
日本の仮想通貨投資家や事業者が一丸となって、反対の意見を述べましょう!
パブリックコメントの投稿先などがわかり次第、CoinPostでも投稿を促す活動も実施します。
一方金融庁の審議会でレバレッジ2倍を主張したとされる人物、麗澤大学経済学部教授の中島真志氏は以下のようにツイートしています。
金融庁の審議会で、2倍を主張したのは、実は私です。米国のCMEやEUが2倍に規制している中で、日本だけが4倍にする正当な理由が見当たりません。#仮想通貨
— 中島真志 (@nakajipark) November 21, 2019
仮想通貨への規制強化、金融庁の狙いは「レバレッジ上限2倍」か | マネーポストWEB https://t.co/KKW6vJIZNd
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:paitoonpati)