エルサルバドル初のデジタル資産トークン化
デジタル証券取引所ビットフィネックスセキュリティーズ(Bitfinex Securities)が、エルサルバドル共和国の空港内の複合ホテル「ハンプトン・バイ・ヒルトン(Hampton by Hilton)」の建設資金を調達するため、トークン化債券を開始すると4月11日発表した。
なおビットフィネックスセキュリティーズは、暗号資産(仮想通貨)取引所ビットフィネックス(Bitfinex)の傘下の企業だ。ビットフィネックスは昨年4月、エルサルバドル共和国で初となるデジタル資産ライセンスを取得している。
ハンプトン・バイ・ヒルトンの建設計画では、5階建ての4,484平方メートルの施設開発を行うとのこと。80の客室、5つの商業スペース、プール、レストラン、ジム、庭園、多目的ルームなどのホテル設備が建設される予定だ。
トークン化債券はインベルジェス ラガーディア(Inversiones Laguardia S.A. de C.V.)が発行するとのこと。今回のトークン発行では625万ドルの調達を目指しており、5年間で10%のクーポンを提供している。なお最低投資額は1,000ドルで、ホテル運営会社独自のインセンティブとして、投資額に応じてホテル無料宿泊券を提供するとのことだ。
なおトークンのティッカーはHILSVで、米ドル及びテザー社発行のUSDTで取引される。HILSVはビットコインのサイドチェーンであるリキッドネットワーク(Liquid Network)上で発行されるとのことだ。
なおビットフィネックスのCTOであるパオロ・アルドイーノ(Paolo Ardoino)氏によれば、「HILSVトークンは、エルサルバドル初のデジタル資産をトークン化したもの」だという。
エルサルバドルでは昨年12月、ビットコイン担保債券「火山債(ヴォルケーノ・ボンズ:Volcano Bonds)」が同国のデジタル資産委員会(CNAD)によって承認された。
火山債はエルサルバドルの170の火山にちなんだもので、地熱を利用してビットコインのマイニングプロジェクトを支援するものであることが、ブケレ大統領によって明かされている。
火山債は10億ドル相当のビットコイン担保に発行され、資金調達を行う。10年間の期限付きで年間6.5%の利回りを投資家へ提供する。 ・火山債は、ビットフィネックスセキュリティーズで発行される予定で、2024年の第1四半期に発行予定である。
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参考:Bitfinex
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