共有シーケンサー大手Espressoが2800万ドルの資金調達、a16z Cryptoが主導でOffchain Labsら参加

エスプレッソが2800万ドルの資金調達実施

スタンフォード大学の応用暗号研究グループの研究者チームらが開発する「共有シーケンサー」のブロックチェーン分野大手「エスプレッソシステムズ(Espresso Systems)」が、大手VCアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)のa16z Cryptoが主導するシリーズBラウンドで2800万ドル(約42億円)の資金調達を行ったと3月22日発表した。

発表によるとこの投資ラウンドは2月に終了しているとのこと。調達資金の使途はエスプレッソの製品の継続的な構築、より広範なロールアップ・エコシステムへの投資、エスプレッソのための人材の追加雇用に充てられる予定だ。

同ラウンドにはポリゴン(Polygon)、タイコ(Taiko)、o1Labs、スタークウェア(StarkWare)、イーサリアムのレイヤー2技術「アービトラム(Arbitrum)」を開発するオフチェーンラボ(Offchain Labs)、およびロールアップ、L2インフラ、相互運用性などのエコシステムプロジェクトの中心的貢献者や戦略的投資家が30以上参加したという。

シーケンサーは、シーケンス(順番)を制御するコントローラのこと。ユーザーからのトランザクションをブロックに取り込み、ブロックを構築する役割を持つ。

共有シーケンサーは、レイヤー2ソリューションのロールアップのスケーラビリティ、セキュリティ、相互運用性を向上させるために開発された分散型ネットワーク。

現在、すべてのシーケンサーは中央集権管理されているため、ネットワークの検閲や単一障害点などのリスクがあることが批判されている。

しかし分散型コンセンサス・ネットワークであるエスプレッソ提供の共有シーケンサーでは、パーミッションのない独立したネットワーク・ノードに依存しているため、こういった懸念に対処することができる。

またエスプレッソは発表にて、エスプレッソは単なる共有シーケンサーやコンセンサスプロトコル、ロールアップ間の相互運用性を促進するツールではなく、共有シーケンサーのためのマーケットプレイスを構築している点を強調した。

同マーケットプレイスでロールアップは、タイムスロット単位で共有シーケンサーの権利(ブロックを構築する権利)をオークションにかけることができるとのこと。

プロポーザは、複数のロールアップのブロックに入札することで、一度に複数のチェーンの共有プロポーザになることができ、チェーン間の活動を促進することができるという。

またエスプレッソは「ホットショット(HotShot)」というファイナリティ・ツールを統合し、ブロックの迅速なファイナリティを提供している。これはエスプレッソの共有シーケンサー・エコシステムの合意形成プロトコルとして機能するとブロックチェーンメディアのザ・ブロック(The Block)は説明している。

エスプレッソはまた、ティラミス(Tiramisu)と呼ばれるソブリン・ロールアップのためのデータ・アベイラビリティ・レイヤーも備えている。

なおエスプレッソは5番目のテストネットである「カプチーノ(Cappuccino)」を4月に予定している。4番目のテストネット「ネットジブラルタル(Gibraltar)」と比較し、カプチーノではシーケンサーがさらに分散化され、様々な機能強化が施される予定だ。

また、カプチーノが2024年後半にメインネットに導入される予定であることを、エスプレッソのCEOであるベン・フィッシュ(Ben Fisch)氏が米コインデスク(CoinDesk)に明かしている。

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参考:発表 The BlockCoinDesk
images:iStock/BadBrother

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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