中国の全国人民代表大会委員、ブロックチェーンの発展促進を提案=報道

ブロックチェーンの発展を推進

中国で、ブロックチェーンのインフラ整備を促進する動きがあるようだ。国営通信社の中国新聞社(China News Service:CNS)が3月6日報じている。

報道によれば、全国人民代表大会の董錦(ドン・ジン)副議長は、5日に開幕した第2回会議中に、正式な提案を提出したことを明かし、政府が国内のブロックチェーン産業の成長を刺激するため、より広範なブロックチェーンインフラと業界標準を確立するよう促したという。

同氏によれば、中国はデジタル経済の隆盛により大量のデータ資源を生み出しているが、多くの重要なデータは安全保障などの面から秘匿され、フローや共有を通じて役割を果たすことが難しくなっているという。

同氏は、追跡可能で改ざん防止という特徴を持つブロックチェーンと、プライバシーコンピューティング技術を組み合わせることで、この問題を効果的に解決できると述べている。

ドン氏は北京で国立ブロックチェーン研究センターを管理している。同氏は同センターが海上輸送、サプライチェーン金融、エネルギーなどの業界にサービスを提供するブロックチェーン・ベースのシステムを開発中であることを明かしている。

ちなみに中国は、暗号資産に関連する活動を「違法」と位置付け、2021年に暗号資産の使用を禁止している。

北京市は昨年5月、「北京インターネット3.0イノベーションと発展白書(2023年)」と題したホワイトペーパーを発表。北京市の最大面積の市轄区(しかつく:中国大陸と台湾における都市の行政区画の一種)である朝陽区が、同年からweb3産業のエコシステム構築支援のために毎年1億元(約19.8億円)以上の特別資金を投資すると伝えられていた。

また昨年2月には、中国の科学技術省が「国家ブロックチェーン技術革新センター」の設立を承認。ブロックチェーンに関する技術上の革新的進歩を目指す動きが報道されていた。

なお香港(中華人民共和国香港特別行政区)においては、適格投資家および個人投資家は暗号資産取引が可能だ。

関連ニュース

images:iStock/Smederevac・Rawpixel

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Sponsored

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している

マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携

米決済大手マスターカード(Mastercard)のマルチトークン・ネットワーク(MTN)が、米銀行大手JPモルガン(JP Morgan)のブロックチェーン基盤決済システム「キネクシスデジタルペイメント(Kinexys Digital Payments)※旧オニキス(Onyx)」と連携したと11月21日発表した